『ほめるより子どもが伸びる勇気づけの子育て』の著者である原田綾子さんへのインタビュー前編(「小・中学校の先生が支持する『勇気づけ』子育て法」)では、「うれしい、ありがとう、いつもそばで見ているよ」と勇気づけの言葉をかけることによって、子どもが「親や先生は自分のことを見ていて、認めてくれている」と感じ、積極性を増していくことなどについて伺いました。
 今回は、「勇気づけの子育て」を実践した結果、得られた子ども達の変化や、親の変化、さらに原田さん自身のことについて語っていただきます。

問題を起こす子どもはどうしたらいいか分からないだけ

日経DUAL(以下、DUAL) 原田さんは小学校を退職した後、教育コンサルティングを行っていらっしゃいます。どういった経緯だったのですか。

原田綾子さん(以下、原田) 5年間小学校の教師をしていました。想像以上に多くの発見があり、子ども達が持つ無限大の可能性を教わったと思います。

 しかし同時に、教師という存在の限界も感じました。教師という立場だと、子ども達が学校に来ている間しか彼らに勇気づけを行うことができません。子どもが真に自信とやる気を持つためには、やはりご両親の力が何よりも必要です。学校だけでなく家庭でも勇気づけを行っていただくことで、子ども達は力を伸ばしていきます。子どもの教育により深く関わるためにはご両親へのコンサルティングが必要だと気が付き、現在に至ります。

DUAL 勇気づけの子育て法による子ども達の変化について、印象的なことがあれば教えてください。

原田 あまりにもたくさんの素晴らしいエピソードがあるので絞り切れません(笑)。一つ、今ふと思い出した教員時代の経験をお話ししますね。

 私の担当したクラスに、乱暴な振る舞いをすることで問題になっている子がいました。その子が暴力をふるったとき、もちろん私は叱りました。しかしその後、一対一で話す機会を設け、「暴力をふるうことはよくない。でもあなたはとてもパワフルだね」と勇気づけをしました。「どうして乱暴するの!」と怒るのではなく、乱暴をパワフルと言い換えたのです。

 「パワフルなところ、すごいと思うよ。せっかくだから、その力をいい方向に変えていこうよ。先生が味方になるから、一緒に頑張ろう」

 すると彼はぽろぽろ泣き出して、「僕は幼稚園のころから、ずっと悪い子だって言われてきたの。でも先生は本当に僕のこといいと思ってくれるの?」と聞いてきたんです。

 「もちろんよ、本当にそう思ってるよ」「ほんとに、ほんとに?」「本当だよ!」

 彼は、その後、ガラリと変わりました。乱暴はぴたりとやんで、学級委員になり、クラスをまとめ上げる存在になったんです。

次ページから読める内容

  • 子どもへの勇気づけは自分自身に自信がないとできない
  • 両親のストレスが、子どもに影響することがある
  • 不完全な自分を認め、受け入れる勇気を持とう

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