明けましておめでとうございます。日経DUAL編集長の羽生祥子です。
みなさんはどんなお正月をお迎えでしょうか?
私は親になって初めて迎えたお正月のことをよく覚えています。ちょうど長女が離乳食を始め、食べる楽しみを発見したころ。人参やほうれん草や鱈の裏ごしペーストをちいさな豆皿にたくさん並べて、「初めてのわが家のおせち」を完成させました。それは自分の母の立派なお重と比べるとささやかなものだったけれど、「これが私たち家族のお正月。これからは、ルールも幸せも、私たちなりに一歩ずつ作っていくんだ!」と気恥ずかしいような、襟を正すような気分で過ごしたのを思い出します。
小さな一歩でも、振り返ればそれが歴史になっていくのが家族です。
2014年の一年間、日経DUALでは共働き家族の歴史をたくさん取材させてもらいました。妊娠しながら働く妻の迷い、夫の育休をめぐる葛藤、ママの転職(成功も失敗も)、子どもの受験ドラマ。いろんな家族のいろんな「一歩」が日経DUALで語られ、それが他の共働き夫婦の喜びや勇気になったのではないかと、願っています。
DUALに集まるみなさんの声を広めて、届けていきたい
2014年12月に実施した「働き方革命アンケート」も、私が感動した「一歩」でした。わずか2週間の期間で1560名もの方々から、「働き方に革命を!」の声が届きました。こんなに多くの方が自由記述欄にもぎっしり回答してくださる様子を見て、改めて「共働き子育て夫婦の働き方」をしっかり世の中に紹介したい。そして「こんな働き方もカッコいいね」といってもらえるように、新しい価値観を伝えていきたいと思いました。アンケートの結果を記事にしてまとめています。(「4人に3人が子どもができて職場で肩身狭い思い」「夫の4人に1人、子どものお迎え時間に帰宅」)
現状は、成果に見合わない評価や、男性の子育て時間を認識していない上司の意識が蔓延しています。個人的な活動にはなりますが、内閣府の「新たな少子化社会対策大綱策定のための有識者会議」に現在出席し、2015年以降の日本の少子化対策制度や活動の骨子を考えています。各分野の専門家たちと毎回3時間以上は話し合い、真剣に作成しています。(内閣府「新たな少子化社会対策大綱策定のための検討会」)
そこで私は日経DUALを代表する立場として、アンケートに届けてくださった「子育て社員の不安、不満、希望」を声を大にして伝えています。真剣に子育てをしている夫婦が働きにくいと感じているとは何事か。こんな状態のままで「人口を増やしたい」と計画するとは何事か、と。
振り返れば小さな一歩。
でもそれが、家族や地域社会、ひいては国にとっての大きな歴史になる。そんな勇気あるみなさんの一歩を、2015年も日経DUALで毎日紹介していけたらと思っています。
本年も編集部一同、どうぞよろしくお願いいたします。(2015年元旦 日経DUAL編集長 羽生祥子)