「同性から理解されない」という声も……

(複数回答。3つまで選択可)
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Q どのような場面で働きにくいと感じたことがありますか?
1位 子どもの病気などで早退しなければならないとき 63.3%
2位 残業ができないとき 53.6%
3位 時短勤務など、定時より短い時間での勤務スタイルをしているとき 33.7%
4位 理想としたい働き方をする先輩など、ロールモデルがいないと感じるとき 22.6%
5位 出張ができないとき 15.1%

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 最も多かったのは「子どもの病気などで早退しなければならないとき」、それに続くのが「残業ができないとき」でした。

 「その他」では、「周囲に理解者がいない」というコメントが目立ちました。特に「男並みに働く女性が上司だと、キャリアや仕事の価値観が違いすぎて、子どもの病気での休暇申請がしにくい」(40歳女性・正社員)や「子育て支援制度が今のように整っていない時代に出産子育てした世代のママさんの意見が厳しい」(32歳女性・正社員)というように、同性から理解されないことを嘆く声が多く聞かれました。

 また、「出産後も変わらず仕事をしたい」という意見と反対に、「出産後も仕事量が変わらない」ことを嘆く人も。「上司に『時短をとってほしくない』と言われた」(47歳女性・正社員)、「会社に時短勤務の制度はあるが使用できる空気ではなく、フルタイムでの勤務を強いられる」(33歳女性・正社員)、「未就学児がいても、残業や休日出勤が当たり前」(32歳女性・正社員)という声も多く見られました。

「子育ての負担を一手に受けざるを得ない状況のワーキングママにおいては、勤務スタイルや仕事内容の希望に違いがあります。“こうあるべきだ”という管理職の一方的な価値観の押しつけが働きにくさの原因になっていることが多いので、部下を持つ立場にある人は注意をしてほしいポイントです」(日経DUAL羽生祥子編集長)

 それでは、「職場で働きにくい、気まずい、肩身が狭い思いをしたことがない」と答えた人たちは、なぜ「働きにくい」と感じずに働くことができるのでしょうか?

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Q なぜ職場で働きにくいと感じないと思いますか?
1位 子育て社員への上司の理解やサポートがあるから 63.3%
2位 子育て社員への同僚の理解がサポートがあるから 55.6%
3位 夫婦で助け合い、仕事の調整をして乗り越えているから 37.5%
4位 子育て社員が職場にたくさんいるから 26.9%
5位 子育て前後で仕事の量や質は変化していないと自負しているから 17.5%

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 多かったのは「子育て社員への上司の理解やサポートがあるから」「子育て社員への同僚の理解やサポートがあるから」という回答。周囲の理解が重要なことが改めて浮かび上がりました。

 「その他」では、「自営業なので自分で時間調整しやすい」(女性・経営者)、「管理職になり、仕事量をコントロールできるようになった」(33歳女性・正社員)など、「自分でコントロールできる仕事だから」というコメントが目立ちます。同時に「周囲への感謝を忘れず、上司や周囲の評価を気にせず、子育てに専念すると決めたから」(33歳男性・正社員)、「今は子どもが大事、と決めて気にしないようにしている」(38歳女性・正社員)というように、子育てによる仕事の制限を「気にしないこと」を理由に挙げている人も見られました。

「働きにくくないと回答している人は全体の2割強しかいませんでした。しかもその内容が、“子育て期なので評価が下がっても仕方がない”と不満を押し殺している人が少なくないのも気になります。部内に子育て社員がしっかり活躍している環境の人はやはり前向きに勤務できています。少しずつ、子育て社員の実情が企業全体で理解されていってほしいです」(羽生編集長)