2013年10月発刊、全社員向けダイバーシティ・リーフレットによると、ダイバーシティーとは「社員一人ひとりのさまざまな『違い』を尊重し、受け入れ、積極的に『違い』を活かすことにより、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに対応し、企業の優位性を創造すること」。

 すべての個人が最大限能力を発揮し、会社に貢献できれば、その先にあるのはしなやかで活性化した組織だ。組織にとっての利益追求という点でも、ダイバーシティーは意義あることなのだ。

個人や組織の働き方変革についての議論がスタート

 具体的な議論は現場でも始まっている。例えば、16人の若手・中堅社員が部署を超えて集まったプロジェクトチームが昨年5月に発足。公募に手を挙げた彼らは、モチベーション向上の具体策や組織連係の強化といった働き方変革を、自分達の問題として話し合った。

 全国の事業所や関係会社からは全部で41人の代表者が集まり、ダイバーシティー推進を通じてそれぞれが何を実現していきたいか、具体的な施策を議論している。事業所や部署によって事情は様々だが、それぞれの課題にまで落とし込んで考えることで、それまで「自分には関係ない」と思っていた社員達の間にも、次第に当事者意識が生まれ始めているという。

 これとは別に、「自分を活かす」「人を活かす」取り組みに貢献した組織や個人を全社的に昨年10月から表彰しているのが、「ダイバーシティCEO表彰」だ。

 第1回は9組織と2名の社員が表彰された。優秀賞は、内閣府推奨「カエル! ジャパン」キャンペーンに参加登録し、カエル! ジャパン・デーにおける残業時間2割減に成功した、昭和電工エレクトロニクス(昭和電工千葉事業所)。また、インドネシアへの設備移転に際してインドネシア人オペレーターの短期育成のために作成したマニュアルが、ベテランから若手への技術継承の役割を果たした点を盛り込んだ横浜事業所も、同じく優秀賞に。

 一大事業所の「大分石油化学コンビナート」からは、これまで男性だけの職種だったオペレーターに自ら手を挙げ、仕事をしている女性が「チャレンジ賞」を受賞した。