●チームメンバーに無駄な残業をさせないよう、随時、確認作業を行う

 「部下や後輩とはコミュニケーションを密に取り、仕事のイメージを共有しています。上がってきたものが考えていたものと全然違うとなると、差し戻すことになり、時間的、物理的なロスにつながります。基本、上司と部下は経験値が違うだけで、能力に差があるわけではないと思っています。上司だって、部下に伝える際に頭の中が整理できていないこともあります。その場合は『この部分はまだだから、君のほうでイメージしてもらえる?』と整理できていないところを具体的に伝えるようにしています」

●突発的なことがあっても対応できるよう、メンバー全員と共有する

 「作りかけの資料は共有フォルダに入れて、他のメンバーとも共有します。さらにメールで進捗状況をその都度、報告。仕事を属人化せず、誰が見てもどの資料がどこにあり、何がどこまで進んでいるかが分かるように透明化を図っています。そうすれば、誰かが急に休んでも、仕事は止まらずにスムーズに進みます」

家事がうまく分担できるかは、妻の声掛け次第

 さて、家庭では家事、育児にも積極的に参加する越智さん。自分自身が子育てと仕事との両立に苦労してからは、妻への配慮も生まれたという。

 「仕事から疲れて帰ったら、ひと休みしたい気持ちにもなりますが、子どもとずっと一緒だった妻だって疲れているはず。のんびりごはんが出てくるのを待つのではなく、ささっと洗い物をしたり、洗濯物を畳んだりと、自分から率先して動くようになりました」

 そのような気持ちになれたのも、妻の絶妙なコーチングがあったからだという。

 「洗濯物の干し方や畳み方って、人によって少しずつ違うものですよね。そのとき、『そうじゃないの、こうやってよ』などと目くじらを立てられたら、『やらないほうがよかったのかな』とやる気がダウンしてしまいます。でも妻は、『ありがとう。どっちかと言うと、これからはこうしたほうがいいかな』などと優しく言ってくれるんです。『喜んでもらえた。次からはもっと頑張ろう』と思えるから、男って単純ですよね(笑)」

 家事の役割分担も自然にできていった。今では焼きそばやカレー、チャーハンを作るのは越智さんの担当だ。

 「妻が『パパの作るカレーが一番おいしいよね!』と、子ども達に言ってくれるんです。そうすると、子どもも『パパのカレーがおいしい!』と思ってくれるので、『じゃあ僕が作るか』となりますよね」

 パパが家事する姿を見せていると、子ども達も自然と家事に参加するようになる。今ではゴミ捨ては長男の、ティッシュの詰め替えは次男の仕事だ。「ティッシュが無くなると、次男は『ちょっと替えてくる!』と叫び、すぐに取り換えてくれるんですよ」