様々なメンバーと共に最大限の結果を出す

 ここで、越智さんが普段からどんなことを心がけているのか、働き方のコツをいくつか教えてもらった。

●資料作りは、デスクに着いた瞬間からスタートできるように段取り

 「資料をまとめたり作ったりする作業は、だいたい朝会社に来てすぐの時間帯に取り掛かります。それまでに、『こういう資料にしよう』『ああいう図を入れよう』などと脳内でイメージしておくんです。資料の読み込みは、前日の「疲れ気味の時間帯」に済ませておきます。アウトプットするにはパワーや集中力が必要ですが、資料を読むことは疲れていてもできるからです。

 そして、入浴中や寝る前のリラックスした時間に、頭の中で何となく構成を組み立てておきます。いったん眠ることでそれらが整理されて、翌日一気に取り組めるんです。実際の作業に取り掛かるときに大切なのは、資料を読み込んだり、作ったりしている間、メール画面は一切開かずに目の前にあるものだけに集中するということ。マルチタスクをしようとすると、結局気が散ってしまって、効率が落ちてしまうことが経験から分かりました」

●ミーティングのスケジュール調整役になる

 「退社時間が決まっていると、遅い時間にミーティングが入っても出席することができません。そこで、自分から進んでミーティングのスケジュール調整役になるようにしています。一見雑務が増えるように見えますが、ミーティングも含め、自分の都合に合わせてタイムマネジメントできるようになるのでお勧めですよ。

 そして、ミーティングは眠気が襲う午後の時間帯に入れるのがポイント。眠いときにエクセルを使った細かいデータ作りなどをすると、ミスをしやすくなってしまいますが、逆に会話していると頭が活性化され、効率的だと思うんです」

●仕事を一人で抱え込まず、人にお願いをする

 「育休を取ったとき、シニアマネジャーに仕事を引き継ぎ、申し訳ない気持ちでいましたが、結果的にプロジェクトは成功しました。情報共有や引き継ぎの仕組みがあれば、実は誰がやるのかはさほど重要な問題ではありません。自分としては少し寂しいですが、自分の仕事だから自分だけで乗り切ろうなどと考えていてはいけません。

 部下の数が増えれば増えるほど、人にお願いをする必然性も増えていきます。これまでの私は何でも自分でやりたいタイプで、誰かにお願いするのが苦手でした。でも、時短勤務になったらそうは言っていられず、腹をくくって誰かにお願いする習慣を身に付けなくてはいけません。

 これは仕事だけでなく、実は家事や育児でも同じこと。『一人ですべてやらなくちゃ』と思っていると行き詰まってしまいます。祖父母やママ友、パパ友、ファミリーサポートなど周囲にお願いしていくことが大切だと感じました」