最終審査では7人が他のファイナリストの前でプレゼン

審査委員長としてスピーチを行う神奈川大学の田中教授
審査委員長としてスピーチを行う神奈川大学の田中教授

 ビジネスウーマン・アワードの審査は、書面審査、現地審査、最終審査の三段階で行われた。特徴的なのは最終審査の方法だ。

 審査委員長を務めた神奈川大学経営学部の田中則仁教授によると、「先日、最終審査を行いました。こういったアワードでは通常、一人ひとり個別に審査を行うものですが、我々はあえて全員のファイナリストにお越しいただき、全員の前でプレゼンテーションをしてもらったのです。互いのビジネスについて深く知ってもらいたかったからです」

 小栗さんは「最終審査は楽しかったですよ。女性経営者同士、共感する面も多く、他の方のプレゼンに頷いてばかりでした。ファイナリスト同士で横のつながりが生まれたことも意義深いと思います」と話す。

第1回大賞に選ばれたのは…?

 さて、ビジネスウーマン・アワード授賞式では、ファイナリスト全員が挨拶を終えると会場から大きな拍手がわき起こり、いよいよ受賞者の発表に。まずは特別賞から読み上げられた。

 特別賞に選ばれたのは、ダンウェイ代表取締役の高橋陽子さんだ。

 高橋さんが2011年に起業したきっかけは長男の障がいだった。障がい者の新たな職域拡大を目指し、インテルと協働で「ICT治具」と呼ぶソフトを開発。これは、障がい者や高齢者もホームページを制作できるソフトで、障がい者がホームページ制作を通して情報発信が苦手な中小企業の営業を支えるという画期的な仕組みをつくったことが評価された。

 続いて優秀賞には、シルバーメディカルサービス取締役の松村利香さんが選ばれた。

 松村さんが運営する高齢者デイサービスセンターは、高齢者向けの日帰り施設で、食事、入浴、排せつなどの生活支援、日常生活や介助方法についての相談や助言、健康状態の確認、運動機能を維持するための訓練を提供する。業容を拡大させたその手腕と、アジアでのビジネス展開を視野に入れて韓国の大学との人材交流を進めるなど先見性が評価された。