「婚活」という言葉の生みの親で、未婚・晩婚、少子化、女性活用、女性のライフスタイルやキャリア、ワークライフバランス、男女共同参画などをテーマに活躍している少子化ジャーナリスト・白河桃子さん。「仕事、結婚、出産、女子学生のためのライフプランニング講座」を高校や大学でも行い、若年層への啓蒙活動を続けています。最新著書『専業主婦になりたい女たち』では、働く女性が増えるなか、いまだに6割の女性が第1子出産後に仕事を辞め、専業主婦になる現実、専業主婦として生きることのリスク、若い世代の専業主婦願望に迫ります。そんな白河さんから、子育てをしながら働き続けるデュアラーの皆さんへのメッセージをお届けします。

DUAL編集部 『専業主婦になりたい女たち』では専業主婦の実態に迫っていますが、この本に登場する専業主婦について簡単にご紹介ください。

白河さん 今は、純粋な専業主婦っていう人はあまりいないので、本書でいう専業主婦にはパートをしながらの主婦も含んでいます。つまり収入を扶養の範囲とされる103万円とか130万円といった枠内に抑えながら働いている元専業主婦の人ですね。夫の稼ぎに依存しないと食べていけない、家計のバッファがない(ここでは危機に直面したときの予備的な金銭準備の意味)、離婚・死別したら本当に困ってしまう人を指しています。

 皆さん学校を出たら就職されますけど、結婚・出産で仕事を一回辞めてしまう。一度辞めてしまうと簡単には再就職できませんし、時間的な制約があるので、どうしても短時間労働や肉体労働的なパートで働かざるを得なくなります。離婚したら生活していくことができないからという理由で、本当は離婚したくてもとどまっている専業主婦だっているのです。そんな専業主婦に対して、潜在的になりたい願望を持っている若い女性達が大勢います。なぜそうなっているのか、そして専業主婦でいることのリスクとは何なのかを本書では取り上げています。

――女子大での授業などでたくさんの若い女性達と交流されている白河さんですが、いま彼女達に増えている「隠れ専業主婦願望」について詳しく教えてください。

白河さん 若い女性達、特に女子大生においては、なにも最初から専業主婦になりたいというわけではないのです。まずは就職したい。でも、ライフプランを書かせてみると、養ってくれるような旦那さんを見つけて結婚し、子どもを産み、家庭に入りたいと願っている。つまり、「ゆくゆくは専業主婦になって、子育てしたら再就職」と考えているのです。しかし、今の日本でブランクの後の正社員は難しい。