父親が一生懸命家事・育児していれば、男の人だってそういうことができるって分かりますから、その分女性の就業意欲は高くなるのではないでしょうか。ぜひデュアラーの皆さんには家事・育児に取り組んでいる姿を子どもに見せてあげてほしいですね。今からぜひやってみてください。

――最後にデュアル読者にメッセージをお願いします。

白河さん まずは、大変ななか頑張ってくれているデュアラーの皆さんにありがとうと言いたいですね。普段、大学生に接していると「働くことは当たり前だよね」と思っている子は、大抵、働く父親と母親から生まれているということがすごく分かるのです。

 本書では「専業主婦を望むこと」の落とし穴について詳細を様々な事例と共に紹介させていただいていますが、今の日本は、働かない女性にはどうしても生きにくい世の中なのです。夫に依存したままでは、リスクが高い。働かないという選択肢はもはやありません。

 「子どもが3歳までは母親の手元で育てたほうがいい」という神話は、そうでない家庭で育った子どもと比較して、発達に差がないことが研究により証明されています。子育てのために一時的に仕事を辞めてしまえば、再就職は非常に難しくなります。仕事と子育て、家事の両立に大変な思いで取り組んでいるデュアラーの皆さんは、その中にある「楽しさ」や「達成感」を実感している人が多いと思います。ぜひ、このまま共働きというスタイルを続けて、次世代のロールモデルとなっていってほしいですね。

 専業主婦が立たされている現状の分析と将来への危惧を、論理的に解説し、独自の示唆を与えてくれる本書。働く、働かないという問題は世の中の景気や社会動向と切っても切り離せないものなのだと再認識させられます。「若い世代にとって、デュアラーこそが次世代の『働く女性』『家事・育児をする男性』のロールモデル」。そんなメッセージを感じさせてくれます。専業主婦はもちろん、働く女性やその家族にとっても気づきを与えてくれる一冊です。

(ライター/飯田麻衣子 写真/鈴木俊介)

本書についてもっと知りたい方は……

『専業主婦になりたい女たち』
(白河桃子著/ポプラ社)780円+税

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