英語学習に励む親は、子どものよい見本

川合 先ほどの例ならば、英語でインタビューできるようになるには、まず、英語で相手の言ったことを理解できるようになる必要がありますよね。

枝廣 そうです。それなら、朝のSkypeレッスンもインタビュー形式にしてもらうんです。先生を相手に、インタビュー練習をするわけです。

川合 ビジョンがあると、Skypeのレッスンを効果的に使えるようになるわけですね。

枝廣 その通りです。自分で何も考えずに、お金だけ差し出して「英語を話せるようにしてください」というのでは身に付かないと思います。

 それに、忙しい中で時間をやりくりして自己研磨に励む親の姿を見せることが、子どもにとって一番いいい教育になるとも思います。

これからは「差し出す英語」が必須だ

川合 子どもに英語を学ばせたいと親が考えるのは、自分はもう間に合わないかもしれないけれど、子どもには国際人になってもらいたいという願いが込められているように思います。日々、グローバルな舞台で英語を日常的に使っている枝廣さんから見て、これからの時代、求められる「国際人像」とはどのようなものなのでしょうか?

枝廣 私は日本以外の国で開催される国際会議に出る機会が多いのですが、日本人はほとんどいないんですね。そういう場所で大事なことがどんどん決まっていく。それは日本という国にとっても、日本の企業にとってもすごくマイナスで、かなり機会喪失をしているのです。が、そういう危機感を持っている人が日本にはあまりいない気がします

 日本人が英語の学習や教育について考える際に、海外の情報や考え方などを輸入する、受け取るための英語という意識が強いように思います。ですが、これから必要なのは差し出すための英語だと思っています。日本はこう考えている、こう思う、と海外に向けて発信できる、対等に議論するための英語です