「ビジョン」こそが英語学習のカギ

川合 英語がいかに大事か分かっていても、今差し迫って日常的に英語が必要ない場合だと、自分にやる気を出させるのは結構大変だろうなと思います。

枝廣 そうですね。「ねばならない」だけではなかなか進めないので、ビジョンと仕組みを作る必要があると思います

 まず一番大切なのは、自分の英語の勉強の先のビジョンをハッキリさせることです。ビジョンのない英語学習は、「ただ素振りさえしていれば、野球がうまくなる」と思っているのと一緒ではないでしょうか

 英語を勉強すると一口に言っても、色々な目的がありますよね。例えば、ネットで自分の興味のある情報を英語で読みたいのか、仕事でお客さんと英語で話したいのか。大きく分けて、話したいのか、聞きたいのか、読みたいのか、書きたいのか。

 どうなりたいというビジョンがあれば、そこに向けてどんな勉強をすればいいのかが見えてきますよね。自分に必要な勉強と、必要のない勉強も見えてくる。英語の読み書きを上達させたいのなら、聞くことと話すことの勉強に時間を割くことはないですよね。

川合 例えば、僕はたまに「英語でインタビューができるようになるにはどうすればいいですか」と聞かれることがあるんですが、そのような願望に近いものも“ビジョン”でしょうか?

枝廣 もちろんです。「3年後に英語でインタビューしている自分」というふうにビジョンを決めて、学習を自分で設計するといいんです。そのビジョン達成のために実践で話す練習が必要、ということなら、英会話学校も使えると思います。

 ビジョンを明確にしたら、次にそのビジョンを達成するための仕組みを作るのです。

 まず「時間をどう作るか」。その次に「その時間をどう使うか」。英語の勉強でやることを決めて、少なくとも1週間なり、1カ月なりやってみて、終わったら振り返って軌道修正する、という具合にPDCAサイクルを自分で回していくのが「仕組み」です。

 私の知り合いは、夜ではなく、朝会社行く前に30分程度Skypeを使って英会話のレッスンを受講しているそうです。「毎朝起きたらすぐに30分レッスンする」という彼女なりの仕組みですね。

 自分なりのビジョンを達成するためには「何をする必要があるのか」を常に考えて仕組みを作るといいでしょう。