女性が活躍できる環境づくりと自分らしい生き方を応援する「日経ウーマノミクス・プロジェクト」主催の「日経ウーマノミクス・フォーラム Xmasセミナー&交流会2014」が、2014年12月7日、虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区)で開かれました。

 企業の女性幹部が講演を行った第1部レポート(「仕事目標は立てず、風に吹かれてみればいい」)に続き、日本経済新聞社グループの女性編集長4人が「ウーマノミクス社会〜輝く女性の働き方」をテーマにディスカッションした第2部のレポートをお届けします。

左から、司会を務めた日本経済新聞「女性」面副編集長の黒田信さん、NIKKEIプラス1編集長の清水桂子さん、日経WOMAN編集長の佐藤珠希さん、日本経済新聞「女性」面編集長の橋本圭子さん、日経DUAL編集長の羽生祥子
左から、司会を務めた日本経済新聞「女性」面副編集長の黒田信さん、NIKKEIプラス1編集長の清水桂子さん、日経WOMAN編集長の佐藤珠希さん、日本経済新聞「女性」面編集長の橋本圭子さん、日経DUAL編集長の羽生祥子

「女性に合わないルールの中で輝けといわれても難しい」

 Xmasセミナーの第2部は、日経グループ・女性編集長4人によるパネルディスカッション。事前に行ったアンケート結果を見ながら意見を交換しました。

 司会を務めたのは、日本経済新聞「女性」面副編集長の黒田信さん。唯一の男性である黒田さんは、冒頭、「今、とても緊張しています」。休憩時間に行ったトイレのことを話し始めました。

 参加者が全員女性だったので、急きょ、男性用トイレが女性使用可になったことを知らずにいた黒田さんは、いきなり女性が大勢入ってきたので自分が間違えて女性トイレに入ってしまったのかと思い、とても慌てて気まずく、困ったとのこと。その話を控え室で4人の女性編集長にしたところ、「黒田さん、それこそまさに"マイノリティ”ですよ。普段女性が置かれているマイノリティの立場を実感できてよかったですね」と言われたエピソードを公開。「モデレーターの緊張感より、トイレのショックのほうが大きくて今もドキドキしています」と話すと、会場は笑いに包まれ、トークが始まりました。

日本経済新聞 「女性」面編集長の橋本圭子さん
日本経済新聞 「女性」面編集長の橋本圭子さん

 アンケートの1問目「現在、(仕事で)自分の能力が最大限生かされていると思いますか?」に、「思う」と答えたのは32%、「思わない」39%、「わからない」29%でした。

 会場に集まった参加者にも○×の札が配られており、その場でアンケートを行ったところ、「思う」と答えた人のほうが若干少ないようでしたが、だいたい半々に分かれました。職場で自分の能力をもっと生かすにはどうしたらいいのでしょう。

日本経済新聞「女性」面編集長 橋本圭子(以下、橋本) 女性の部下の扱い方が分からなくて戸惑っている男性上司も多い。今より責任ある仕事をしたいならば、どうしたいのか、どこまでできるのか自分からアピールしたほうがいいと思います。上司からは聞きづらいライフプランについても自分から話すなど、日頃からコミュニケーションをとる必要があります。

日経WOMAN編集長 佐藤珠希(以下、佐藤) でしゃばりたくないという思いがあって、きちんとアピールできない女性がいますが、自分から発信することが大事です。もっとこうしたいと言うときは、自分のことだけでなく組織のメリットやチームのメリットをしっかり伝えるといいでしょう。

NIKKEIプラス1編集長の清水桂子さん
NIKKEIプラス1編集長の清水桂子さん

NIKKEIプラス1編集長 清水桂子(以下、清水) もっと責任ある仕事をしたいと思っているのに、キャリアビジョンをなかなか描けない方が多いようです。まずビジョンを描いてから、今、この段階ですべきことを考えていくと、上司と具体的な話ができると思います。

日経DUAL編集長 羽生祥子(以下、羽生) 企業のお作法は残念ながらまだ男性中心に作られています。黒田さんの冒頭のエピソードではありませんが、私たちは男性用トイレで働いているようなもの。男性中心のルールの中で女性に輝けといわれても難しい。先ほどの「あなたは自分の能力を生かせているか」という問いに答えるなら、私もNOです。男性が作り上げてきたマナーやモードに合わせるしかない場面は多く、自分の力を生かせていないと思っています。女性の活躍を国や企業が本気で望むなら、企業は枠組みや制度を男性中心から男女に目を向けたものに変えていかなければなりません。