時短勤務になっても給料は下がらない

 次は長時間労働の話題へ。「日本の長時間労働の最も大きな原因は何だと思いますか?」とアンケートしたところ、47%が「時間当たりの生産性を意識しない人事・評価制度」と答えました

日経WOMAN編集長の佐藤珠希さん
日経WOMAN編集長の佐藤珠希さん

 次に「早く帰りにくい職場の雰囲気」21%、「限界を超えた仕事量」12%、「人員の不足」7%、「接待や打ち上げなど、夜間に行われる社内外の仕事」3%などの結果でした。長時間労働を減らす企業の取り組みや個人でできることは何か、編集長たちで討論しました。

橋本 最初は労働時間を減らすと生産性が下がるのではないかと心配されていましたが、先に実践した企業が業績を上げているのでその心配はなくなり、労働時間を減らす動きが出てきました。

佐藤 企業は社員個人を管理することより、働く時間、働く場所を個人に委ね、生産性を重視するというトレンドが日本にも根付いてきましたね。女性活躍を推進している企業では、トップが自らそういう働き方を実行しています。

橋本 残業を減らした部署にはボーナスを上乗せしたり、会議の時間を短くするために立って会議したり、有休消化率を上げるために年間の休暇予定を提出させる企業があります。

清水 女性だけじゃなく、男性も長時間労働をやめる。全社で取り組んでいくのが大事ですね。

橋本 個人でできることとしては、自分で時間を区切って働くことですね。私は夜に人と会う約束をして、強制的に早く帰る日を作っています。

日経DUAL編集長の羽生祥子
日経DUAL編集長の羽生祥子

羽生 時短勤務も変わってきました。楽天は時短勤務になっても給料を下げません。多くの企業は時短勤務者は通常のフルタイム勤務者の6~7割に減給されます。しかし4時半に帰ろうと、アウトプットをキープしていれば給料はフルタイムのときと一緒なので、ワーキングマザーが活躍しています。モチベーションと生産性が保てる上に長時間労働を減らせるという大きな効果があります。また、大手情報サービス会社では、時短勤務を申請するときに、給料を減らすコースと減らさないコースを二つ用意し、時短勤務者当人が選べるようにするという画期的な動きも出てきました。

清水 子育て中は突発的なことで仕事ができない日もありますから、事前の準備と段取りをしっかりしておきたいですね。何かあっても時間の余裕がありますから、自分でマネージできます。後手にまわって対処するのは、相手の都合に合わせなければならないので大変です。