手がかりを追ううちに、世界の脅威となる巨悪の存在に気づいたヒロは、兄のために戦う決意をします。でも、彼の味方であるベイマックスは戦闘能力も戦闘意欲もゼロの、優しすぎるケア・ロボットです。

ベイマックスは人を傷つけることを禁じられている
ベイマックスは人を傷つけることを禁じられている

 そのとき、ヒロはまだ気づいていませんでした。タダシはベイマックスに、驚くべき“本当の使命”を託していたのです……。

 本作の舞台となっているのは、サンフランシスコと東京を融合して作られた架空都市<サンフランソウキョウ>。本作のドン・ホール監督とクリス・ウィリアムズ監督は、日本のポップカルチャーから影響を受けたそうで、舞台設定からベイマックスのキャラクター・デザインに至るまで、日本文化の精神を取り入れたそうです。

日本のどこかで見たような街並みが描かれている
日本のどこかで見たような街並みが描かれている

 短い足でペンギンのようにヨチヨチと歩くベイマックス。顔は日本の鈴からデザインされています。また、心の奥底に響く優しいストーリーは、『となりのトトロ』を参考にしているとウィリアムズ監督は語っています。

 「泣きたいときは、泣いてもいいんですよ」とヒロに言うベイマックス。いつも時間に追われ、心に余裕が足りない私は、ベイマックスの優しい言葉と、キュートな姿に思わず涙が出てしまいました。

 うちの息子は、執筆している私の横に来て「僕もベイマックスに癒やされたいよ~」と言っています。私もベイマックスにハグされたい~!(笑)。子どもも大人もお疲れ気味の年末。「“優しさ”で世界を救えるか?」をテーマにした新作映画『ベイマックス』は、癒やしてくれるだけでなく、優しい気持ちを抱けるようになって、「よし、頑張るぞ!」と、来年への活力ももらえる作品です!