予防接種スケジュールの調整 0歳児からパパ・ママで分担を

 日本でも近年、急速にワクチンの種類が増えたので、第1子のときには国内で認可すらされていなかったものが、第2子以降で定期接種になっていて、戸惑うママ&パパも多いのではないでしょうか。

 ワクチンの種類も回数も増えたため、一度の通院で複数のワクチンを接種する同時接種が必要になってきます。同時接種のメリットは通院の回数が減るだけではなく、病気に対する免疫を早期に獲得し、子どもを病気から守れることです。ただし、必ず同時接種をしなければならないというわけではありません。かかりつけの小児科の医師とよく相談して、別々にするか同時にするか決めれば良いでしょう。

 なお、0歳児で受ける予防接種の数は多く、産後すぐからママとパパで協力してスケジュール調整をしなくてはなりません。下記は、予防接種スケジュールの一覧表(「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろう」発行)です。

予防接種は災害時の集団感染も防いでくれる

 ところで、WHO(世界保健機関)が定めている、大規模な災害が起きたときに行う優先事項トップ10を知っていますか? まずは被害状況の初期評価。次に、水と衛生状態の改善。そして食事、避難施設の手配。その次に、麻しんの予防接種を行うことを計画します。

 麻しんウィルスは感染力が強く、多くの人が集まる避難所などで一旦発生すると免疫を持たない子ども達の命が危険にさらされるためです。

 2004年スマトラ島沖大地震、2013年のフィリピン・ヨランダ台風被害の際には、現地に飛んだ日本の自衛隊は麻しんワクチンの緊急接種を行いました。2011年の東日本大震災の時には、日本の麻しん(MRワクチン)接種率が1期で95%、2期で90%以上と高かったので緊急接種は行いませんでしたが、東北地方で麻しんの発生はゼロでした。普段からの予防接種の備えが、災害時の感染症リスクも減らしてくれるのです。