何から何までお世話が必要な乳幼児期もハードだけれど、10代前半から始まる“思春期”も子育ての大きなテーマ。「いつかは来る、わが子の思春期」を上手に乗り切るために、知っておきたい親子のコミュニケーションのポイントを探る連載「ついにわが家に思春期が訪れた」がスタート! 「毎日長くは子どもと一緒に過ごせない」というジレンマを抱えるDUAL読者でも実践しやすいノウハウや心構えを紹介します。

 「何でもママやパパと一緒がいい」だったはずのわが子が、背が伸びるにつれ口数が減り、家の中で一人で過ごすことが多くなって……。もしかして、これは……? ついに、来た! わが家にも“思春期問題”が。いつか来るそのときに、子どもとどう向き合っていいか分からずに戸惑ってしまう親は少なくない。

「パパーこっち見て!」なんてほほえんでくれる時期はいつまで?
「パパーこっち見て!」なんてほほえんでくれる時期はいつまで?

 「イクメン」の浸透で、父親も子育てにコミットする雰囲気が高まっているとはいえ、育児に積極的な父親のイメージは「オムツ替えをする」「お風呂に一緒に入る」といった、乳幼児期の関わり方に偏りがち。思春期問題はどちらかというと母親に委ねるパターンが多く、そもそも「父親と母親が協力し合って、夫婦で一緒に子どもの思春期を乗り切る」ための知識はほとんど共有されていないのが現状だ。

思春期問題は夫婦で話し合い、夫婦でバランスを取るもの

 そんななか、今年9月に発足したのが、父親がわが子の思春期にいかに向き合うかをテーマにしたプロジェクト「Stand by Me Project~思春期プロジェクト」。プロジェクトを主宰するNPO法人コヂカラ・ニッポン代表の川島高之さんは、「わが子の思春期に直面したとき、父親の多くは戸惑います。思春期は子どもの自尊心を育て、自立を促すための重要な時期ですが、親が過干渉・過支配でいつまでも子ども扱いしたり、逆に、接し方が分からずに面と向かうのを恐れてコミュニケーションを諦めてしまったりするのは残念です。子ども達が自尊心を高め、自立した社会人に育っていくためには、思春期特有の悩みを父親同士が共有し、役割を再認識する機会が必要」と話す。