新聞のチラシやDMなどで、時折「〇〇国債、利率10%」など、やたらと高い利率の表示の外債の広告が入っていることがあります。しかし利回りを見てみると、B債券のように意外に低かったりします。そういう債券は、価格がかなり高くなっています。その結果、価格面では売買損が発生し、利回りが低くなるのです。

 中には、そういう事情で利回りは低いにもかかわらず、利率のほうをかなり大きな字で表示して「釣って」いるケースもあるので気を付けましょう。

かかる税金についても、チェックが必要

 ちょっとややこしくなりますが、さらに税金の話を一つ。外債の利率には2割の税金がかかるので、実際には利率の8割しかもらえません。つまり、利率が高い外債は、税金の負担もそれだけ重くなります。

 みなさんが外債を買った場合の実際のもうけは、税引き後の値になります。ここで、本日の2つ目のポイントです。

 ちなみに、先ほどのB債券は、税引き後のリターンを計算するとマイナスになります。

 もう一つ、重要なポイントがあります。外債に投資した後で円安に動けば、為替差益が発生しますね。為替差益が発生している外債を持っていて、それを償還期まで持ち続ければ、為替差益にも税金がかかります。しかし、償還期の前(たとえ数日でも)に売れば、為替差益は非課税になるのです。なぜなら利付債の中途売却した時の売買益は非課税、という税制上のルールがあるからです。そこで、本日の3つ目のポイントです。

 外債投資は、知っておくだけでお得なことがいろいろありますが、知らないと損をすることも、とても多いですね。もったいないことにならないように、きちんと覚えておきましょう。

(文/日本経済新聞社編集委員 田村正之)