「頑張り過ぎない」ことは、とても大切

 たかが家事、されど家事。つい、何でもしっかりと自分の力でやらなくちゃ!と考えてしまいがちな人へ向けては、「頑張り過ぎない」ことをキーワードに家事に向き合うことが大切だ、という。

 「今、介護でも、『頑張り過ぎない』ということがキーワードになっていますよね。私は、家事や育児についても、同じように考えていいと思うんです。日本人の特徴なのか、つい、何でも自分の手できっちりやらないと、罪悪感を感じてしまいがちですよね。でも、先ほどの家事の仕分けの考え方に基づいて、誰が行うかがそれほど重要ではない家事の優先順位は思い切って下げる、または家族や高性能な家電の力を借りてアウトソーシングしてしまうのも、家事のストレスを軽減する1つの知恵かな、と思います。

 そうして、家事を割り切って考えると、自分の今行うべきことがはっきりして、『それができたんだからいいや』という、自分の中の満足感にもつながっていくと思うんですよね」

 さらに、「白旗を揚げる勇気」を持つことも大切だとか。

“私がしたほうがいい領域“と“他の人に任せてもいい領域“を見極め、潔く「白旗を揚げる勇気」を持つことも大切だと言う戸井田さん
“私がしたほうがいい領域“と“他の人に任せてもいい領域“を見極め、潔く「白旗を揚げる勇気」を持つことも大切だと言う戸井田さん

 「私自身も、フルタイムで働きながら子育てや家事の大変さに直面していたときに強く思ったのは『白旗を揚げる勇気も必要だ』ということでした。『おしゅうとめさんに何か言われたら…』『夫に頼りたくない』など、女性ってやっぱり見栄もあって、なかなか自分の力でやることを諦められないんですよね。でも、それはもう気にしないことにしてしまって、とにかく自分の取り組みやすいこと、取り組みたいことをする。あとは、家族やロボットの力を潔く借りてしまう。
 買い物や掃除、洗濯など、誰が行ってもよいリセット家事は、どんどんアウトソーシングしてしまいましょう。私がしたほうがいい領域と他の人に任せてもいい領域。その物差しをきちんと持つといいと思います」