美輪明宏さんは、著書の中で「親子や家族とは血がつながっている関係を指すと思っている人が多いけれど、それは違います」と断言しています。看病をしたり、遊んだり、ケンカしたり、笑ったりという思い出の積み重ねが、親子や家族をつくっていくのだというのです。
先ほど触れた「むすメモ!」さんのマンガでは、育児に疲れたママがケータイに入っていた子どもの写真を見るシーンがあります。写真を見ながら、あのときはこんなに小さかったな、こんな顔をしていたな、それに比べて今は大きくなったな……なんて思っているうちに、ママは落ち着きを取り戻していく。「思い出の積み重ね」がママをつなぎとめたのです。
「泣いたら抱いてやり、子守歌を歌ってあげる。ひとつひとつの小さな行いが、女性を母親にしていきます」と美輪さんは言います。子どもが生まれたからといって、パーフェクトなママになれるわけではありません。知識と経験と思い出を少しずつ積み重ねていきながら、ゆっくりとママになっていけばいいと思います。パパもあとから追いかけていきますので。