19世紀のデンマークの哲学者、キルケゴールの言葉です。キルケゴールの哲学書は学生時代に読んだことはありますが、今となっては何も覚えていません。しかし、子育ての最中に仕事で名言集を繰っていて、偶然この言葉を目にしたときは「その通り!」と思ってしまいました。今だってどんなにグズられた後でも、スヤスヤと眠る穏やかな寝顔を見たら、こちらの気分もすっと落ち着きます。

 しかし、スムーズに眠ってくれればいいのですが、そうはいかないのが子育ての大変なところ。赤ちゃんの寝ぐずりや夜泣きは本当に大変です。

「赤ちゃんを泣かせてはいけない」という思い込みは捨ててください。
泣くことは笑うのと同じ、赤ちゃんの意思表示です。

清水悦子

『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』(かんき出版)

 我が家にあった育児関連書の中で、もっとも繰り返し読まれたのが、夜泣き専門保育士・清水悦子さんの『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』でした。夜泣き改善のための具体的な方法と、夜泣きに苦しむママへのメンタルケアがわかりやすく書かれています。

 何をしても赤ちゃんが泣きやまないとき、ママはどうしても不安になったり、イライラしたりしてしまいがちです。清水さんは本書の中で、赤ちゃんの「泣き」を受け入れるとラクになるとアドバイスしています。赤ちゃんが泣きやまないのは、母性や愛情が足りないのではなく、赤ちゃんの意思表示の一つ。泣きやませてほしいのではなく、ママのそばで十分泣かせてほしいのです。「『赤ちゃんを泣かせてはいけない』という思い込みは捨ててください」と清水さん。泣き声をネガティブではなく、自然に受け入れることができれば、子育てはグッと楽になるといいます。

 我が家の場合、この本に書かれている「寝言泣き」を知ることがとても役に立ちました。夜中に赤ちゃんがワーンと泣いても、ただの寝言の場合が多いのだそうです。慌ててミルクをあげようとしたり、オムツを換えようとしたりすると、赤ちゃんは本格的に起きて、大泣きしてしまいます。大人だって、夜中に無理やり起こされたら機嫌が悪くなりますよね。少しの間、様子を見ていれば、自然にまたスヤスヤと寝入ってしまうことも多いので注意しましょう。ちなみについさっき、眠っていた娘が「おなかが痛い……」と言ったので夫婦で慌てたのですが、ただの寝言でした。