甘さを控えたキールは離乳食に向いているが、実はお祝いの席で食べられるものだ。要はミルクライス。大人用にはシナモンや砂糖、カシューナッツ、アーモンドをミキサーでパウダー状にしたものを牛乳に入れ、お米と一緒に柔らかく煮込む。ヒンドゥー教では祭事が年中ある。そのたびに、う〜んと唸るくらい甘いお菓子を周りの人達にも食べさせて盛大に祝う。これは愛情、親しみの表現なのだが、甘過ぎるお菓子が苦手な私にはつらい儀式の一つだ。

 さて、1歳になるとオートミールも食べられる。野菜を潰したものもどんどん与える。柔らかく煮込むと栄養素が逃げていくと考えられているので、野菜は固めにすることが多い。

 気になるカレーだが、小学生になる6~7歳から食べ始めるそうだ。カレーといっても種類や食べ方は幅広い。タミル語で「具」と「汁」を意味するカレーは、たくさんの種類があるマサラというスパイスミックス(クミン、ターメリック、ガラムマサラ、マスタードシードなど)と豆、野菜を入れ、最低3種類のカレーをチャパティやライスにつけて食べる。

 スパイスにまつわる話を書くときりがないが、家族の体調いかんでスパイスの量を減らしたり、増やしたり、加えたりする。面白いのは、北インドでは主食はチャパティ、カレーは辛口が多いのに対して、南インドでは主食は米、カレーはココナッツミルクを入れてマイルドにして食べる。

 どちらにしても、ほぼ毎日カレーを食べているということなのだ。

(文・写真/パッハー眞理 海外書き人クラブ