5つ星ホテルのレストランで食事も与えられず、子どもに食事をさせているアヤを見かけることもある。カースト制度の根強さにはぞっとするが、インドではこれが普通のことだ。

 以前、友人の知り合いの日本女性が赤ちゃんとアヤを同伴してインドのお金持ちと毎年のように日本へ一時帰国すると聞き、わざわざインドから子守なんて!と驚いたことがある。よほどの大金持ちかと思っていたが、実際にインドで暮らし始めると、それもインドらしい習慣だなあと思うようになった。親は親、子どもはアヤが面倒を見るもの、というのがインド流の生活スタイルなのだ。

離乳食は手作りが普通、カレーは小学生になってから

 

 先日、親しい友人のところに男の子が生まれたので、お祝いに行った。私自身、インドのベビーフードに興味があったので早速聞いてみたところ――。

 インドではドライフーズや瓶に入ったベビーフードは、外国人が行くような高級店でしか買えないらしい。そのため、一般家庭では手作りしている。

 生後6カ月になると、柔らかくゆでたおかゆから離乳食を始める。日本のお米と違い、こちらのインディカ米というお米は細長くてパラパラしているので、炊くというより、ゆでる感覚だ。

 そのなかに豆、ジャガイモを小さく刻んだものを入れる「キチュリ」というおかゆが定番だそうだ。豆と一言で言っても種類は多く、ひよこ豆のような大きいものからではなく、米粒大の小さな豆から始める。

 7~8カ月からは、全粒粉をこねて作ったクレープのように丸くて薄い「チャパティ」というパンや、グリーンカルダモンの味がきいている「キール」という牛乳の煮込みごはんも食べる。

 チャパティはインドの一般的な家庭ではよく食べられるもので、小麦粉使用のナンよりも栄養がある。日本ではインド料理のレストランに行くとナンが定番だが、ナンは竈が無いと焼けないため、全粒粉と水でこねて作るチャパティのほうがよりポピュラーで好まれる。

チャパティ(右)とキール(手前)
チャパティ(右)とキール(手前)