スライドオープンより、フロントオープンタイプがおすすめ

──サイズ以外に、選ぶポイントはありますか。

戸井田 あとは、フロントオープンタイプにするのか、それともスライドオープン(引き出し)タイプにするのか。国産は、スライドオープンタイプが多いですね。

 スライドオープンのメリットは、食器を出し入れするときに、かがまなくてよいということ。それと、食器に残った水が周囲に滴らないという点。特に、かがまなくてもよいという点は、各メーカーで強調されていますね。しかし、フロントオープンタイプも、上から食器を入れられます。下の段に入れるときはかがんで入れますが。水が滴る点については、確かにフロントオープンタイプだと、バスケットの両側がオープンになっているから、水が飛び散るということはあります。

スライドオープンタイプ。食器は上から入れるので、腰をかがめる必要が無い(画像提供:リンナイ株式会社)
スライドオープンタイプ。食器は上から入れるので、腰をかがめる必要が無い(画像提供:リンナイ株式会社)

 ただ容量を考えると、フロントオープンタイプのほうがおすすめです。フロントのタイプは、前に開きますよね。だから、有効寸法が45センチのキャビネだったら、40センチぐらいまで使えます。ところがスライドオープンタイプは、キャビネットの壁の中に、さらに引き出しを組み込むため、壁が二重になるんですよ。45センチのキャビネでも、10センチ取られて35センチになっちゃう。そうすると、おのずと大きさ、有効寸法が変わってくる。なので、単純に考えても有効な庫内内容量は、フロントオープンに軍配があがります。私は、せっかくキャビネを1個取ったんだったら、容量が大きいほうがよいのではないかと思うんですが。

フロントオープンタイプ。容量が少し大きくなる(画像提供:リンナイ株式会社)
フロントオープンタイプ。容量が少し大きくなる(画像提供:リンナイ株式会社)