食洗機の幅は、45センチと60センチの2タイプ

──そんなに違うのであれば、失敗したから買い替えるというわけにもいきませんね。では、今回はビルトインタイプの食洗機を選ぶポイントを教えてください。

 はい。まずは、サイズですね。前回お話しした通り、キッチンの調理台の下はだいたい箱物になっていて、その箱物を取り外せさえすれば食洗機が入ります。ガスコンロのサイズとシンクのサイズはほぼ決まっていて、ガスコンロと壁の間が15センチ、ガスコンロが60センチ、シンクはだいたい90センチ。日本のキッチンの場合、全体の長さは小さくても2.1メートル程度が多いので、残り45センチのキャビネットがガスコンロとシンクの間に入っているパターンが多いんです。45センチ幅のキャビネがありさえすれば、引き出しであろうと、扉であろうと、まずは何でも入ると思って大丈夫です。その上に60センチ幅のものもあって、海外製品は60センチ幅が多いです。ただ、日本向けに45センチ幅を作っているメーカーもあるので、キャビネ幅は45または60センチ空いていれば大丈夫。

──45センチ幅と60センチ幅では、容量がかなり違ってきますか。

 違います。だから、入れられるんだったら60センチのほうがいいと思います。容量だけでなく、洗浄力にも関係してきます。キッチンセットの奥行は、60センチと決まっているんです。だから、45センチ幅だと、中が長方形になります。そうすると、食洗機の回転ノズルから出る水が、手前と奥に届きにくくなります。図に描いて説明しますね。

 このように、正方形だと手前や奥までノズルの水が届きますが、長方形だと手前と奥に届かない範囲ができてしまうんです。日本のメーカーは、45センチしか商品を持っていませんが、60センチ幅と45センチ幅を展開している海外メーカーが、60センチ幅を強烈に薦めるのは、理にかなっているんです。もちろん45センチ幅でも奥まで水が届くようにノズルはちゃんと設計されていますが、60センチにしたほうが、洗い残しが無くなったり、効率よく洗えたりするので、あらゆる点で有利です。

 では、45センチではダメかというとそうではなくて、庫内に水がくまなく行き渡る設計はしっかりされています。ですから、45センチでも心配することはありません。そこはもう、物理的な制約条件なのですから、自分と住宅事情に合わせて選んじゃっていいと思います。