子どもが生まれて3カ月のKADOKAWA・DWANGOの川上量生会長。親となって初めて直面した日本の「待機児童問題」に憤り、思わず本社内に保育園を設置することに。親になって感じたこと、父親の育休取得、経営者として考える社員の結婚・出産、自身の子育て論について、日経DUAL羽生祥子編集長がインタビューしました。 ※インタビュー後編「ドワンゴ川上会長 ジブリは説教くさいから好き」はこちらです。

羽生 日経DUALは、共働きで子どもを育てているお父さん・お母さん向けのメディアです。ワーキングママやパパは本当に不安だらけ。記事の感想やDUALのアンケートの回答を見ていますと、生活しづらいと皆さん訴えています。川上家も共働きだと伺いましたが、出産の時期は大変でしたか?

川上量生(以下、川上会長) うちは計画出産だったので出産日は病院の都合で決まりました。それで、産前産後の1週間、僕の会社のスケジュールソフトに妻が勝手に書き込んで強制的に休みに設定されていて(笑)。生まれたその日から、病室で赤ちゃんと妻とずっと一緒にいたんです。いわゆる「育休」ですね。

父親になった自覚が生まれた、1週間の「育休」

羽生 育休を強制的に妻に取らされた。いい話ですね。父親は自分で妊娠出産を経験できないので、親になったという自覚が薄い場合もありますが、1週間も生まれたての赤ちゃんと一緒にいたら「お父さんになったぞー」という気持ちになれますね。

川上会長 新生児って寝てばかりいるから特にやることはないんですけど、その育休期間がよかった。この1週間がなければ、自分が親になったという実感は持てなかったかもしれません。

KADOKAWA・DWANGO会長の川上量生氏、産後1週間育休を取った。
KADOKAWA・DWANGO会長の川上量生氏、産後1週間育休を取った。

羽生 「育休なんて、パパが短期間だけ家にいても意味がない」という意見もありますが、そうではないと?

川上会長 ええ、育児休暇は父親も取ったほうがいいと思いますよ。男の場合、おっしゃるように、やっぱり子どもを持ったことを理解するのが難しいと思うんです。特に何もしなくていいので(笑)、一緒の時間を長く過ごしたら自然にその気持ちが生まれると思います。

羽生 いま、奥さんは産休中なのですね。保育園の準備はしていますか?