6年に1度、プロテスタントの女子校入試日が前後にずれる

「サンデーショック」という言葉をご存じですか? 「ショック」と付くと、あまりよくないイメージを想像する方もいるかもしれませんが、中学受験をする家庭であれば、おおよそ知っている受験用語です。今回はこのキーワードについて解説します。受験の基本をご紹介する本連載の流れからすると、いきなり上級者向けの内容に感じられるかもしれません。でも、2015年2月の受験を控えているご家庭には、このタイミングでぜひおさえておいていただきたい内容であるため、連載内で取り上げます。

 私立中学校には、共学と、女子校・男子校といった別学、大学附属の中学校などの他、キリスト教や仏教といった宗教系の学校があります。毎年、東京・神奈川の中学入試は2月1~3日の3日間に集中します。そして例年、難関校の入試は、初日の2月1日に一斉に行われます。

 ところが、キリスト教系のいくつかの学校では、毎年入試を実施している2月1日が日曜日(安息日)にあたると、宗教的な理由から入試日を前後にずらすことがあります。それに伴い、例年であれば2月2日に入試を行う中堅校が、2月1日や2月3日に入試日が変わるケースが出てくるのです。

 従来の併願スケジュールを参考にできなくなるので、受験生にとっては「混乱する年」となります。そのために「ショック」と言われるようになったかどうかは定かではありませんが、「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」というサイトで各塾の特徴や傾向、勉強への対策をアドバイスしている西村則康先生によると、30年以上前からあった言葉だそうです。

 サンデーショックが到来するのは、6年に1度です。そして、今の小学6年生が受験する2015年入試が、まさにその年に当たります。西村先生に詳しく聞きました。

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越南 サンデーショックは全受験生に関係するものなのでしょうか?

西村先生(以下、敬称略) いえ、影響を受けるのは、キリスト教のプロテスタント校を志望している受験生に限ります。該当する主な学校は、女子学院、フェリス女学院、立教女学院、東洋英和女学院、横浜共立学園などの女子校で、男子の受験にはほとんど影響しません。

 例年の入試図が通用しなくなるという点では悩みの元ともなりますが、塾や一部の学校、または一部の受験生にとっては「チャンスの年」と捉えることもできます。しかし一方で、「思わぬ落とし穴」もあるのです。

 では、どのように落とし穴にはまらぬよう、チャンスをつかむかを説明します。