ハイスキルマザーと企業とをマッチングさせる人材サービス事業を展開する株式会社Waris(ワリス)が、外資系製薬・医療機器大手であるバクスターの管理職社員に向けて「イクボスワークショップ」を実施した。当日はバクスター社のジェラルド・リマ社長によるメッセージに始まり、感性アナリストの黒川伊保子氏による男女脳の違いを説く講演、最後にイクボスワークショップが行われた。内容の濃い研修となった今回のワークショップの様子を2回にわたってお伝えする。

個人同士がイクボスだねと認め合うことは組織づくりにメリット

 バクスター社は「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」を掲げ、これまでにも日本において特に女性活用に積極的な取り組みを行ってきた。(参考記事「子育て社員支援の進化系「インクルージョン」とは?」)女性の活躍には、男性管理職の理解とマネジメント力の向上、リーダーシップが不可欠との考えより、イクボスキャンペーンを実施。そのプログラムの一環として、今回の「イクボスワークショップ」が開催されるに至った。

 I&Dが大きな経営戦略だと語るリマ社長。同僚同士がお互いに協力し合ってイクボスを実践することが、ダイバーシティカルチャーを増進させると考える。社員同士がそれぞれ切磋琢磨して、人材を成長させるにはイクボスの育成が緊急課題であり、「個人としてイクボスを認め合うこと、褒め合うこと、コネクトすることがわが社のI&Dを促進します」と話す。

イクボスリーダーとして、社員に力説するバクスター社のジェラルド・リマ社長
イクボスリーダーとして、社員に力説するバクスター社のジェラルド・リマ社長

 実際にリマ社長は、子どもが病気のときに早く帰ったり、子どもの野球の試合を観戦するために仕事を抜けたりすることも奨励している。「社員の90%がフリーアドレスになり、会議にもどこからでも参加できる時代となった今、どこにいても仕事を遂行できる環境が整いました。今回のキャンペーンは会社にとって大きな戦略ではありますが、その意味合いだけでなく、個人同士がお互い協力してイクボスとしての活動を促進していくことにとても意味があります」

 また、産休から職場復帰する社員が増えたことにも触れ、イクボスだと認められる管理職を増やし、育児休業から戻りやすい環境を整えるカルチャーづくりをしていきたい、とリマ社長は続けた。「力強い活動です。お互いに行動を褒め合うこと、個人と個人が面と向かって、イクボスだねと認め合うことは素晴らしいカルチャーづくりとなります」