保育園や学校から帰ってきて家族と一緒に過ごす家。幼い子ども達にとって、どんな家で暮らすかが、その成長に深く影響することは言うまでもありません。
 「片付けなさい」「勉強しなさい」「きちんとあいさつしなさい」なんて小言を言わなくても、子どもの力がどんどん伸びる! そんな家づくりの工夫やちょっとしたアイデアの数々を、『子どもの心が育つ魔法の家のつくりかた』(梧桐書院)よりお伝えします。
 第1回は「叱りどき」が「ほめチャンス」というテーマです。

 はじめまして。私たちは、家づくりわくわく調査隊です。健やかな子どもが育つ理想の家とはどんな家かを、とことんマジメに、研究調査してきた家づくりのプロ集団です。

 じつはあなたが今暮らしている家の中に、子どもをほめてあげるチャンスがたくさん潜んでいるのをご存じでしょうか。

 「ものぐさで、なんべん注意してもおもちゃを片付けない。家では怒ってばっかりです」

 「ゲームばかりしてお手伝いを全然しない。疲れているときはつい、声をあららげて叱ってしまいます」

 家づくりに関わっていると、こんな声があちこちできかれます。

 では、そんな怒りのモトを小さくしながら暮らすにはどうしたらいいか。小さくどころか、怒りの種をなくし、逆に「よくできたね」「すごいね」「よかったね」という言葉がぽんぽんと飛び交うような家にしたい。はたして、そんな笑顔の絶えない、魔法のような住まいが実現するのでしょうか?

 答えはもちろんイエスです。

 叱りどころを冷静に分析すればいいのです。自分はどこのどんな場面で子どもをつい叱ってしまうのか? お片付けができないときに叱ってしまうなら、できる仕掛けや工夫をすれば、とたんにそれは「ほめどころ」に変わってしまいます。

 そう、「叱りどき」はイコール「ほめチャンス」でもあるのです

(『子どもの心が育つ魔法の家のつくり方』本文より)