女性活用チームを任され、育休期間を3年に延長
私が教育サービスの会社に正社員として入社したのは1999年のことです。非正規の社員まで合わせると1万人を超える、大きな会社です。正社員として入社すると、まず塾の運営を任されます。私も集客、運営、講師の育成を含めて全てを経験しました。講師として教室で子ども達に勉強を教えていたこともあります。
当時の肩書きは教務主任。飲食業界でも正社員入社の人はいきなり店舗チーフを任されることがありますが、あれに似ています。生徒や保護者の方達を相手に必死にコミュニケーションするという生活が3年続きました。
3年目に入り、社内で研修課を立ち上げることになったという情報を耳にし、人材育成に興味を持っていた私は「ぜひやらせてほしい」と手を挙げました。それまで会社には研修システムがなかったのです。何かをゼロから立ち上げるという企画に参加できることにも魅力を感じていて、嬉しいことにめでたく希望通りに異動させていただきました。そして、産休を取得するまでの丸7年、人事畑を歩むことになります。
2008年に結婚し、翌年の3月に息子が生まれました。
会社には丸3年の産休・育休を取得できる仕組みがありました。実は、この仕組みを整えたのは私でした。女性の働きやすさを考える社内チームのリーダーに就任していたこともあって、もともとあった育児休業の期間を3年に延長させたのです。
教育業界は「子育てと両立しやすそう」と思われているかもしれませんが、教育サービスは学校の放課後時間を活用したビジネスですから、どうしても仕事は夜型になってしまう。女性が長く働き続けることができる企業になるためには、早急にワークライフバランス面を充実させなければならないという企業課題があったのです。
当初は、育児休業を1年間だけ取得して、早々に職場復帰する予定でした。それほど仕事にやりがいを感じていました。