――藤井さんは、『くるみ割り人形』をお子さんと見る予定はありますか?

 「前作はDVDで一緒に見たので、今回は映画館でぜひ一緒に見たいと思っています。僕が初めて見たのが7歳で、うちの娘が同じく7歳になるというのも、何かご縁を感じますね。娘が自分と同じ年齢で、この映画を映画館で体験するというのは、すごくうれしいです。彼女がもう少し小さいころに、動物のドキュメンタリー映画を一緒に見に行ったんですが、子猿が群れからいじめられる場面で、娘が小声で『お父さん、もうこれ以上見られないわ』って言ったんです。子どもは子どもなりに、受け止めるものがあるんだなと思いましたが、『あとちょっとだから、最後まで見ない?』と聞いたら、『かわいそうだから見られないわ』と言うので映画館を出ました。彼女の中では、その映画はそこで終わってしまったので、『くるみ割り人形』はどのように受け止めるのか、楽しみではありますね」

――ぜひ感想を聞いてみたいですね! DUAL読者にも、親子で楽しめる映画としてお薦めしたいと思いますか?

 「もちろん、親子で楽しめると思います! 受け止め方は、それぞれ子ども次第だと思うんですが、怖いシーンがあっても、有村さんが声を演じているクララのかわいらしさが、それをカバーしていますよ。市村さんが『クララが頑張っている姿は、働いているお父さんにも通じるものを感じた』とおっしゃっていたんですが、まさにその通りだと思います。ぜひお休みの日に、お父さんも子どもと一緒に見に行ってほしいです」

――ありがとうございます。ちなみに、働くお父さんである藤井さんのイクメン度はどのくらいでしょうか?

 「イクメン度というのは、ちょっと分からないですけど、子どもがかわいいと思う瞬間はとても多いです。仕事の時間が不規則なので、子どもに会えないときももちろんありますが、朝出勤して夜は残業という仕事のお父さんに比べたら、会おうと思ったら会える時間が多い自分の職業は恵まれていると思います。どのくらいおしめを替えたかとか、たくさん離乳食を作ったということに価値観を置くことも素晴らしいと思いますが、お風呂を洗ったり、ゴミ出しをしたり、奥さんに『美容院に行ってきたら?』と言ってあげたりとか、そんな形で何かできることもあると思うんですよね。男の甘えかもしれませんが。でも、イクメンという言葉にとらわれていると、『パパだって使えるマザーズバッグ』みたいな特集を組まれても、いや持たれへんし、みたいになってしまう(笑)。いつだってお母さんはすごいし、お母さんにはかなわないという大前提が僕にはあるので、自分にできることをやっていきたいですね」

(インタビュー写真/小野さやか)