ふたつ頭の白ネズミの女王・マウゼリンクス夫人を広末涼子さんが演じているほか、市村正親さんが4役の声に挑戦。藤井隆さんは、マウゼリンクス夫人の息子・シュヌルル王子の声を担当しています。
――『くるみ割り人形』では、声優さんではなく、俳優さんやタレントさんが声の出演をされています。皆さん、役になりきっていらっしゃいましたが、アフレコはどのように行われたのですか? 藤井さんが、どのように演じたのかも教えてください。
「みなさんバラバラで、個別にアフレコをしました。僕が演じたのは、ネズミのシュヌルル王子という役なんですが、『くるみ割り人形』を見るときは、やっぱりクララの側で見ますよね。子どものころに見たときも、大人になってからも、いつもクララを守ってあげたいという気持ちで見るんですけど、敵役のシュヌルル王子役ということで、どう演じたらいいのかと少し悩んでいたら、増田監督が『この映画はクララの成長物語だけれど、シュヌルル王子の成長物語でもあるから』と、おっしゃられて。セリフが短かったり、呼吸や表情だけだったりしても、心の中でモヤモヤしている感じを出すべきシーンが多かったんですね。そこを何回かトライさせていただきながら、結末へのプロセスを積み上げる作業を、監督はとても丁寧にされていたので、アフレコはすごく楽しかったです」
――子どものころに見たというのは、1979年のサンリオのオリジナル版のことですか?
「そうです。7歳のとき、劇場公開時に見ました」