7:誕生日の “年”は消し、家族構成などもオープンにし過ぎない

 フェイスブックに登録する際に、最初に誕生日や家族構成、趣味など、様々なプロフィール情報を聞かれたと思うが、これらはできるだけ掲載しないほうがいい。

 フェイスブック以外のネットサービスのIDやパスワードを忘れてしまった際に、本人確認として「本名、生年月日、住所」などを伝えれば、パスワードがリセットされるというケースが多いからだ。その3点セットをフェイスブックで掲載するのはとても無防備というもの。

 「最近はネットバンキングなどで、秘密のパスワードとして、ペットの名前や両親の名前、生まれた土地などを登録するというケースも増えています。フェイスブックは実名登録が基本ですから、それらすべてが公になっていると、ネットバンキングなどで悪用されるリスクも高まるんです。それらの情報は登録しないか、公開しないようにしましょう。

 生年月日も『年』は消しておいたほうがいいでしょう。ただ『月日』まで分からないようにしてしまうと、『お誕生日おめでとう!』の連絡が来なくなって寂しいので、折衷案として誕生日の『月日』のみを見える形にするのがお勧めです」(守屋さん)

 以上、フェイスブックの落とし穴を見てきた。正しく使えば、SNSは便利なツール。自分のネットポリシーを再確認して、楽しく利用できるよう各種設定を見直してみることが大切だ。

(文/西山美紀)

守屋英一さん
日本IBM(株) シニア・セキュリティ・アナリスト。2007年に日本アイ・ビー・エムに入社。CSIRTを担当。社外では、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)SNSセキュリティWGメンバー、明治大学ビジネス情報倫理研究所客員研究員を務める。 著書に『フェイスブックが危ない』(文春新書)、『ネット護身術入門」(朝日新聞出版)などがある。2014年マイクロソフトセキュリティ部門でMVPを受賞、2012年度JNSA表彰個人の部を受賞。全国各地で講演を行っているほか、テレビ、ラジオ出演等も多数。

丸子かおりさん
IT系出版社でゲーム雑誌やデジタル雑誌の編集・ライティングに携わり、2002年よりIT企業でエンターテインメント系コンテンツの制作やプロデュースを行う。04年フリーのライター・編集者に。以来IT系やエンタメ系、科学系の記事を中心に数々の執筆・編集、WEBコンテンツ制作に携わる。著書に『AR<拡張現実>入門』(アスキー新書)など。