わが家も共働きのため、子どもは0歳から保育園に預けました。育児休暇中は、幼いわが子をいとおしく思うと同時に、思い通りにいかない育児にストレスを感じる日々。復帰後は、会社と自宅・保育園を、時間を気にしながら忙しく往復し、帰宅したら休む間もなく夕食の準備をする。

 ちょっぴり罪悪感を持ちつつも、子どもと十分に触れ合う時間や気持ちの余裕はありませんでした。そんな子どもとの関係のなかで、潤滑油となったのが旅だったのです。

初めての体験の連続で親子の絆が深まる

 旅に出ると仕事や家事などの日常から解き放たれ、時間や気持ちに、ゆとりが生まれます。きれいな景色を見て温泉に入り、おいしい料理をいただく。昼寝中の子どもを夫に託し、リラクゼーションを受けたり、大好きな美術館へ出かけたり……つかの間ですが自分のために時間を過ごす。

 そういった出産前はごく当たり前だったことも新鮮に感じられ、気持ちがスーッと楽になったのを今でも忘れられません。

 「私、頑張り過ぎてストレスをこんなに抱えていたのだなあ」と旅先でびっくりすることも。心に余裕ができると、自然と子どもとも優しくゆったりとした気持ちで接することができます。

 旅では公共の場へ出て社会と接する機会も多く、たくさんの“初めての体験”にも出合います。詳細は別の回でご紹介しますが、そういった機会を利用して挨拶やマナーの大切さを教え、初めてのものに出合う感動や喜びを親子で共有することで、子どもは多くを学び、同時に親子の絆も深まります。

 子どもの成長を旅で発見することも多く、非日常のなかで子どもの新たな興味や関心の芽に気づくことができるのも旅ならではと言えるでしょう。

一面の芝桜に親子で感動(2歳11カ月:北海道 東藻琴)
一面の芝桜に親子で感動(2歳11カ月:北海道 東藻琴)