ライティングのプロが選んだ、シーンに最適の光とは

 ではそれぞれ具体的に、どんな「明るさ」や「光色」なのだろう。

 「ダイニング向け」は、従来の「食事」とリビング・ダイニング学習などの「勉強」、2つの目的にあわせて光色を切り替えるタイプ。「文字が見やすい6200K(ケルビン)という色温度を使った昼光色(勉強のあかり)と、食べ物を美味しく見せるRa90という高演色性のLEDチップを使った40形 電球色(食事のあかり)にしました」(下村さん)。

パナソニック エナジー&ライフソリューショングループ ライティングチーム 下村俊喜さん
パナソニック エナジー&ライフソリューショングループ ライティングチーム 下村俊喜さん

 色温度とは、光の色の尺度のこと。例えば炎の色は、一般的な暖色系、寒色系といった色彩の感覚と異なり、ロウソクなど低い温度の炎ほど赤っぽいオレンジ色、ガスバーナーなど高温になるにつれて青白い炎となっていく。温度と正確に比例しているわけではないが、光の色に対応させた目安なのだ。一般的には「電球色」が2700K、「昼白色」が5000K、「昼光色」が6500Kとなっている。
 「勉強のあかり」の6200Kは、「当社の研究では、白と黒のコントラストが一番はっきりする色温度。色温度は高いほど白く見えますが、高すぎるとコントラスト感が落ちてしまいます。コントラストのピークとなる6200Kを“文字くっきり光”(※1)としています」(下村さん)。
 文字がはっきり見えるので目が疲れにくく、読んだ文字がよく頭にも入る。長時間の勉強も集中してできそうだ。

料理が美味しいあかりは、人肌もキレイに

 一方、「食事」のあかりのRa90のRaとは、色の再現性を表す数値。太陽光の元での色味を100としたとき、どれだけ色が正しく再現されるかを表し、一般的にはRa80以上あれば、日常生活をおくる上で不自由ないといわれている。一般的なLED電球はRa80だ。しかし「食事のあかり」はRa90と色の再現性が高く料理が美味しく見える効果がある。「明るさは、あえて暗めの電球色40形とし、落ち着いたレストランで食事している雰囲気を演出できる照明となっています」(下村さん)。
 このRa90の高演色性LEDチップを使ったあかりは、食事だけでなく人の肌もキレイに見える。そのため、ダイニングだけでなく、洗面所でこのLED電球を使っている人もいるという。お化粧の際、質の悪い光だと顔色が悪く見えて失敗することもあるが、これなら美しい肌に仕上げられるだろう。

「パナソニックの会員サイト『CLUB Panasonic』でも、使っていただいた方の8割から、満足したという声をいただいた」という下村氏。あかりが切り替わる効果は、体感してみるのが一番。とりあえず、一回使ってみることをオススメする
「パナソニックの会員サイト『CLUB Panasonic』でも、使っていただいた方の8割から、満足したという声をいただいた」という下村氏。あかりが切り替わる効果は、体感してみるのが一番。とりあえず、一回使ってみることをオススメする

 浴室のあかりは、「爽やかなあかり」(昼光色)の6700Kと、夕暮れの空をイメージした「くつろぎのあかり」(電球色)の2000Kの2つに切り替えられる。朝のお目覚めシャワーや夏の爽やかな入浴には、「勉強のあかり」の6200Kより白さが増した6700Kの「爽やかなあかり」でさっぱりと。就寝前のリラックスタイムは、アロマキャンドルなどの炎のような色に近い2000Kのほの暗いあかりで、のんびりくつろげる。くつろぎ効果は、脳波測定の生理解析や心理解析の結果からも、実証されているそうだ。また、6700Kの「爽やかなあかり」は浴室掃除の際、白さが際立ち汚れが目立ってわかりやすいという声もあった。