あのNASAでも「フォロワーシップ」が重要視されている

 これからの時代は、リーダーのフォロワーシップが重視されていきます。

 自分の仕事について、先ほど説明した4つの役割を考えてみると、リーダーであっても、リーダーシップ100%ということではなく、意外にフォロワーシップの役割を果たす場面が多い方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 リーダーシップは外から見ていても分かりやすいので、発揮していると会社からも後輩からも「素晴らしいリーダーだ」と認めてもらいやすいのです。一方、フォロワーシップはなかなか目立たないため、第三者から称賛されることはあまりありません。

 しかし、このフォロワーシップがなければ、組織はうまく回らないのです。リーダーが引っ張るだけでなく、時にはメンバーを下から支えることでバランスが取れるのです。

 世界で最も優秀な組織の一つといわれるNASAでも、宇宙飛行士の最終選考では「フォロワーシップが発揮できるか否か」をチェックします。ストレスが極限までかかっている状況で、どうやってお互いの最大のパフォーマンスを出すか、ということに注目するのです。

 フォロワーシップは皆さんが普段は当たり前のように発揮しているものだと思います。これは組織を動かすうえで、最も重要な能力の一つです。早いうちから部下にもフォロワーシップの重要性を伝えましょう。

 例えば、私は試合後にミーティングを開きません。普通は試合が終わった後に、監督が編集したビデオを見せながら、「ここが悪かったな。次はこういくぞ」と話すものですが、私はその作業を選手にやらせているのです。

 私は試合が終わると決まってこう言うのです。「お疲れさまでした。明日は10時からミーティングをします。私も分析してきますが、みんながどう分析するかを楽しみにしています」と。すると選手は集まって話し合い、ビデオを編集し、どこがよくてどこが悪かったか、次はどうするかと自ら考えるようになります。つまり選手の自主性が育つのです。ここでの私の役割はやはり「リーダーのフォロワーシップ」だといえます。

 普段からフォロワーシップを発揮している方はたくさんいらっしゃると思います。これからの時代は、このフォロワーシップの価値がさらに注目されますので、フォロワーシップを得意とする皆さんも、ぜひ自信を持ってご自分のスタイルに磨きをかけてください。フォロワーシップを組織に根付かせることで、皆さんが所属している組織がさらにいい組織になっていくと思います。

(ライター/西山美紀、撮影/鈴木愛子)