娘の小学校ではPTA会長に 今の時代に合わせた学校改革を

―― 平川さんは「小1の壁」も恐れず、お嬢さんが小学校に入学すると同時に、民間人校長という新しい仕事に飛び込んだわけですよね。両立だけでも手いっぱいだと思うのですが、お嬢さんの学校のPTAにも携わるようになったと以前伺いました。それは、いつごろからですか?

平川 娘が小学校に入学したと同時に民間人校長に就任したので、最初の1~2年はさすがに何もできませんでした。

 でも、校長になって3年目を迎え、娘が3年生になったときに学年委員になってみたんです。そのときに先生ともコミュニケーションを取ったりして、学年単位では色々と変えることができました。それで、「あ、これは学校全体でも何かできるかもしれない」と感じるところがあり、2013年、周りからの推薦もあってPTA会長に挑戦してみることにしました。2014年も引き続き、PTA会長を務めさせていただいています。今年度の夏はPTAでボランティアを募り、PTA会費150万円をかけて図書室を大改装しました。

―― 平川さんが会長になって、一番改革できたと感じているのは、どの部分ですか?

平川 組織改革です。PTAが何をやっているのか、というのが、保護者には分かりにくいので、「仕事の見える化」を徹底して、子どもに直接的に利益をもたらす活動でないものは無くしました。そして、できるだけ保護者が集まらなくていいように、メーリングリストで連絡を取り合うようにしたのです。そういった改革案を提案し、「紙面総会」を実施して決議しました。

 それまでは、PTAの委員をやりたい人というのがほとんどいなかったんです。委員決めをするときは、皆さん「誰かやってくれないかな?」と自分からは手を挙げない雰囲気でした。でも、改革して2年目となる2014年はほとんどのクラスにおいて、PTAの委員が立候補で決まっています。しかも、1つの席に5~6人が立候補して、じゃんけんで決めたところもあったようです。嬉しいことですね。

 学校側も、結果的には色々と私達の話を聞いてくれて、受け入れてくれました。学校の教育目標も「開かれた学校」となり、少しずつ変えていくことはできるはずです。

 学校のため、子どものために動く場合、学校や先生だけが頑張ってもダメだし、保護者だけが頑張ってもうまくいかないと思うんです。本当に公教育を変えたいならば、両方から改善していく必要がある。PTAも学校も、もしマイナスな部分があるなら、皆で一緒に変えていけばいい、私はそう思っています。