公立中学校に、知の探求ができる環境を作りたい


校長室には、学校を訪れたゲストスピーカー達の色紙が飾られている

―― 公立中学校に赴任して5年が経ちました。これまでどのようなことを提案・実行してきましたか?

平川 今の中学1年生は「ミレニアム・ベイビー」といって、2000年生まれの子ども達なんですね。彼らの4人に1人は、100歳まで生きると言われています。つまり、2100年まで生きる。定年は2065年。そんな未来を生きていく彼らに、どんな人生を送ってもらいたいか、ということを重視しています。

 勉強ができることもいいことだけれど、自分が探求したい、追求したいテーマに楽しく向かっていってほしいし、大人になってからも、仕事やママ友、趣味仲間のコミュニティなどを形成しながら、楽しく人生を送ってもらいたい。

 そう思っているので、「キャリア教育」として、色々な仕事をしている大人達を呼んできて、子ども達に、そのオーラを感じてもらうようにしています。誰もが知っている有名人だったり、様々な職種の企業人や地域の方だったり、色々な人を見てもらって、「あのオーラいいな!」と思う人に出会ってもらいたいと思っています。

―― 子ども達にとって、とても良い刺激になりそうですね。今までに、どのような企画を実施してきたのでしょうか?

平川 サッカー日本代表の川島永嗣選手やパラリンピック陸上競技の佐藤真海選手、作家の林真理子さん、国境なき医師団やハーバード大学の方など、日本人、外国人を問わず、色々な方をお呼びしてご講演をいただいています。大企業の方にも、単元に合わせて来てもらっています。美術や理科など科目の内容に合わせて、学年ごとに、時にはクラスごとに来てもらっています。

―― クラスごとだと、ゲストスピーカーをすごく身近に感じることができるでしょうね。全校生徒で講演を聞くという取り組みは昔からあったのでしょうけれど、あえてクラスや学年ごとにしているんですね。

平川 そうですね。体育の時間にヒップホップのダンサーに来てもらったこともありました。やはり本物の方が入ると、雰囲気は大きく変わるものです。