「卵子が老化する」なんて自分が40代になるまで知らなかった
DUAL編集部 佐々木さんが妊娠を望んだのはいつごろからでしょう?
佐々木恵さん(以下、佐々木) 40代に入ってからです。20~30代のころは、とにかく仕事が面白くて、あっという間に年齢を重ねてふと気が付くと……というよくあるパターンです。しかも今でこそ「卵子の老化」について広く知られるようになりましたが、私が若かったころはそんな知識もあまり一般的ではなく、お恥ずかしい話ですが「生理があるうちは産めるだろう」くらいの認識でいました。
―― 数年前までは、みんなそういった認識だったと思います。
佐々木 でも、実は生理があっても妊娠はしにくくなっていきます。卵子は年とともに老化するということを改めて皆さんにお伝えしたくて取材をお受けしました。
―― ご自身そのように実感したきっかけがおありだったのですか?
佐々木 40代になってから子宮筋腫の手術を受けまして。担当の先生から「もし子どもを持つつもりなら、今から考えておかないとダメですよ」と言われたんです。
―― 当時、結婚されて何年目だったのでしょう?
佐々木 結婚自体は早かったので、結婚後十数年経過していました。
―― それまではご夫婦共に、仕事を優先されてきたのですね。
佐々木 はい。ですから逆に、妊娠しないように気を付けていました。子宮筋腫の手術が終わったので、そろそろ子どものことを考えようかと思って色々調べました。そうしたら、高齢での妊娠は、そう簡単にはいかないかもしれないと気づき、突然焦り始めました。
口コミやネット情報に頼っていると、自然と「妊娠率」が高いという不妊治療専門クリニックに目が行ってしまいます。そして、私もまずはそのうちの1つだった、とある有名クリニックに行きました。当時45歳のことです。