のりのカッティングは切り絵からヒントを得て。下絵から取り掛かる
―ほう、なぜそこにたどり着いたんですか?
船山「キャラ弁を作っていくと気が付くんですけど、いわゆる絵を描くときなどに重要な“輪郭”というか“アウトライン”を作ることができないんです。
そこで、ふと思い出したのが、母がやっていた切り絵。そうか、これはのりを使えばできるぞ、とひらめきました」
―実際、どうやってのりをカットしてるんですか?
船山「まずは下絵を描いて、それをクリアファイルに写す。そこにのりを挟んで下絵に合わせて切ればいいんです」
―下絵を描くんですか!
船山「必要なときは設計図も描きます(笑)」
―すご過ぎます…(唖然)。それがうまくいって大好評だったわけですね?
エンジニア魂に火をつけた娘の反応
船山「それが…実は、最初失敗しているんです」
―ええ! 何があったんですか?
船山「最初にカットしたのりを使ったのはお弁当で、娘が蓋を開けて“わーすごい!”ってなることを期待していたんですが…」
―娘さんにはヒットしなかった、とかですか?
船山「いいえ。蓋の裏側に全部貼り付いてしまったんです(笑)。蓋を開けたらのっぺらぼう、みたいな…」
―悲劇ですね~
船山「そうですね…でも、そこで“同じ轍は踏まないぞ”という感じでエンジニア魂に火が付いて完成形に近づいていったんです。それでできたのがひな祭りのちらしずしです」