なるほど……彼女自身の学力は「美人の中でも特別な女」になるためのもの、美貌に知性という付加価値をつけて、より良い結婚をするためのものだったのだ。で、娘の学力は「結婚に期待せず自力で生き延びる」ための必須条件。付加価値の知性とは別ものというわけだ。

 美人が勉強する意味とブスが勉強する意味は違う、と彼女は考えている。だから「ブスだから勉強」という言い方になった。もしも娘が美人だったら「うちの子美人でしょ。これで勉強ができたら無敵よね、私みたいにエリート男を選び放題だもの」という言い方になるのだろう。

女性の見た目にめざといのは女性だったりする

 それにしても、女性はどうしてこうも見た目に左右されるのだろう。見た目の品定めから自由な女性はいない。品定めするのは男ばかりではない。「あの女優は整形」「あのアイドルは劣化した」などと言いたがるのはたいてい女性だし、身近な女性の身なりの変化にもめざとく気づく。美人にはバカで性悪であって欲しいと願い、不美人を軽んじる気持ちもある。

渡豪8カ月目のある日、次男(8)の部屋のドアに貼り出された、兄(11)への警告の貼り紙。いろいろアレだが、伝わるぞ!
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