子どもとスマホの関わり方を、自身も子育て中のワーママである高橋暁子さんがわかりやすく解説する連載の第5回。今回は話題のゲームが次々に登場しているスマホゲームを取り上げます。親はどんな点に注意すればいいのでしょうか。

 デジタルアーツの「未成年者のネット接続端末利用実態と未就学児の保護者の利用実態について」(2014年6月)によると、使用頻度が高いアプリについて聞いたところ、男子小学生(4~6年生)の56.5%、女子小学生(4~6年生)の45.0%が「ゲーム」と回答している。小学生は、ゲーム機だけでなくスマートフォンでもゲームをしているのだ。

 たとえばLINE系のゲームなどは、スマホを持たない女子小学生にも認知度が高く、「スマホを手に入れたらやりたい」という声を耳にする。男子小学生は、「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)や「モンスターストライク」など、CMで流れているゲームに対して興味を持つことが多いようだ。

 今回は、子どもたちがスマホゲームにはまる理由と問題点をご紹介する。

ゲームする理由も「人」

 まずソーシャルゲームとスマホゲームの違いを説明しておこう。

 ソーシャルゲームとは、SNS上で提供されるオンライン・ブラウザゲームのことだ。SNSにおける人間関係をゲームに取り入れたところが特徴であり、友達と協力し合ったり、競い合うことができる。

 一方、スマホゲームとは、独立したゲームアプリだ。ただしSNSとは独立したゲームではあるものの、やはり友達同士で協力し合う仕組みは残っている。たとえば「パズル&ドラゴンズ」では、友達の協力でガチャが引けたり、協力を得ることでバトル時に有利になる仕組みがある。

 エンターブレインの「SNSアプリユーザー行動心理レポート」(2012年4月)によると、ソーシャルゲームを続ける理由は「モノを集めたい」(30.8%)、「人とつながりたい」(20.3%)、「人に勝ちたい」(18.9%)「人に認められたい」(6.8%)「人の役に立ちたい」(5.0%)などとなった。つまり、人とつながり認められたい気持ちも、ソーシャルゲームにはまる大きな要因となっているのだ。

 スマホゲームは、時間で回復する仕組みやログインするとメリットがある仕組みを設け、何度もログインしたくなるようにできている。なおこの時、課金すればすぐに体力を回復でき、ゲームが有利に進められるようになっている。

 ゲームはやればやるほど強くなるようにできている。それ故、実生活で思うように他人から承認されることがない子でも、ゲームならば強くなり他の子から尊敬されたり頼られたりすることも難しくない。それ故、はまってしまうというわけだ。

 さらに、友人同士のランキングで競争心を煽ったり、友人と協力することでゲームが有利に運べる仕組みなどを用意し、人間関係を取り入れることで利用率を上げているのだ。