在宅勤務でも、一定の時間は子どもを預ける必要がある

 「子育て中のお母さんが働きやすいように」という文脈で「在宅勤務」が語られることが多く、政府も今後「在宅勤務ワーカー」を増やしていく方針だというが、どれだけの職種でどのくらいの期間、「在宅勤務」することが可能なのだろう。

 例えば、「企画書をこの1週間で仕上げる」というような、時間が規定されていない仕事だとしたら、時間を自由にやり繰りしてできるだろう。しかし、「一日のうちここからここまでの時間はデスクに張り付いていて、パソコンでメールのやり取りをしたりテレビ会議にも出たりしてほしい」という仕事の場合は、その時間集中して仕事をすることが求められる。横で子どもにうろちょろされてできるものではない。

 やはり、定められた在宅勤務時間には、子どもを預けざるを得ないのではないか。その場合でも、会社に通う必要がないぶん、時間が節約できるというメリットはある。あるいは、子どもがもう少し大きくなれば、家で面倒を見ながら仕事をすることも可能になってくるかもしれない。子どもが病気のときなど、家に仕事を持ち帰って在宅扱いにしてくれるなら、それもありがたいという人もいるだろう。

 職種によっても違う。子どもによっても違う。「在宅勤務」という選択肢が増えるのは歓迎するが、それで全てのお母さんが子育てしながら仕事ができるわけではない。それぞれの事情に合わせた働き方ができるように、「在宅勤務」を柔軟に捉える必要もあると思うし、短時間での預け先も充実させるに越したことはない。

 「子どもを見ながら仕事」の現実を経験した者として、そう思う。

夫のアトコメ

 虎が2歳まであと数カ月になった時期は、書き下ろしの単行本に取りかかっていた時期でもありました。2カ月で11万字程度。なので、ゲンナリ。ぶっちゃけ、新聞のコラムや雑誌のエッセイといった程度の文字数であれば、どれだけ虎がギャン泣きしようが割と平気でした。

 てか、今回の単行本自体、虎の存在がなければまったく違った印象のものになっていたはずで、そういう意味では、パソコンのキーボード剥がされたり画面をよだれでベタベタにされたり3ページ分にわたって意味のない記号がひたすら羅列されていたりとか、まあいろいろありましたけど、感謝の気持ちのほうが圧倒的に強いかなというのが正直なところ。

 なので、さすがに毎日だとキツいけど、週4日ぐらいであればフリーライターの在宅勤務は可能かな、というのが個人的な印象です。あ、単行本の題名は『ラスト・ワン』となっておりますので、ぜひご購入のほどを(笑)。

サッカーを観戦中の虎
サッカーを観戦中の虎