――私の個人的な考えですが、公私共にパートナーだと、仕事でも家庭でも一緒なのは、ちょっとしんどくないかな、と思ってしまうのですが、いかがですか?

牛山「よく言われるんですけど……」

豪田「しんどかったら、やってないと思います(笑)。それ以上に、大切なことを共有できますし、会話の話題は尽きませんし、一緒に過ごせる時間も多いし、メリットのほうが多いです」

牛山「でも、それなりの努力はしますよ。例えば、家事については苦手なパパも多いと思いますが、グッと言いたいことを飲み込んで、『ありがとう』という言葉に変えることで、やってもらえる家事が2倍になると思うし(笑)。一方で、彼から『大変だね、がんばってるね』という言葉があると、『オムツくらい私が替えますよ』という気分になるじゃないですか。そういう、ちょっとした言葉の掛け合いはしようね、と話したことはある気がします」

豪田「愛情と感謝は態度と言葉で伝えないと伝わらない、ということは前作の『うまれる』の中で、ある登場人物の方が語っていますが、それはすごく意識しています」

――お2人の間で、役割分担などは決めていますか?

牛山「家事・育児の役割分担は決めないですね」

豪田「役割分担を決めるのは、すごくリスキーなんじゃないかと思っています。というのも、決めてもできないときって当然、誰しもあるじゃないですか。そうすると、できないことに集中しちゃうんですよ(笑)。『あれ、やってないじゃない、あなたの役割なのに』って」

牛山「だから、私達はあえて決めないようにしています」

豪田「ただ、それは各々のご家庭で状況が異なると思うので何とも言えませんが、大切なのはお互いに向き合って、コミュニケーションを取り続けることじゃないかなぁと思います」

牛山「ちゃんと心が通じ合っている感覚があれば、家事や育児の作業量でもめることは少なくなるんじゃないかなと」