サブカメラの細かな使い勝手向上に期待!

 今回はファミリービデオの撮影とバードウォッチングに活躍してくれたW850Mですが、「ここが惜しい!」と思うことも幾つかありました。

 例えば、さきほどのタンポポに集まる虫を撮った時の場合。カメラを上下に傾けると、サブカメラの映像もつられて傾いてしまいます。メインカメラを上下に傾けるときは、液晶ファインダーの角度調整機能を利用してサブカメラが水平になるようにするなど、撮り方にちょっとした工夫が必要かもしれません。

 サブカメラを前に向けた状態でメインカメラのズームを一番ワイドにしたときは、画面全体とワイプの中で同じ映像が重なってしまうのも残念。メインカメラのズーム率とワイプのオン・オフが連動してくれると便利だな、と感じました。

 それから、やはりサブカメラでもズームができるといいですね。貯水池で野鳥を撮ったときには、ほんの少しでもいいからワイプのほうでもズームができれば……と何度も思いました。

コンセプトは大満足! ホームビデオに新しい世界がやってくる?

 そうはいっても、もう一つの映像を同時に撮影できるサブカメラが付いているおかげで、今までのホームビデオではできなかった表現が簡単にできるのは楽しいです。単にワイプが撮れるというだけでなくて、自分(撮影者)・隣・前方とアングルを自由に変えられるのが大きなポイント。指先でサブカメラの角度を変えながら撮影者自身が移動したり、ワイプのオン・オフを組み合わせたりと、素人ながらも工夫を凝らした映像を撮りたくなってしまいます。

 もちろん、「ズームとワイドを同時に撮りたい!」というジレンマの解消にも役立ちますし、ホームビデオにはどうしても残りにくい撮影者の表情を記録するという点でも、サブカメラは重要な役割を果たしてくれます。

 カメラを持つ撮影者のセンス次第で、プロが編集したようなビデオを簡単に撮影できるW850M。こだわりの映像を撮りたいDUAL世帯のパパ・ママに是非おすすめしたいカメラです。

(文・写真/松村武宏)