住宅購入や家計管理について悩む共働き世代を、ファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみさんがリポートする本連載。今回は、都心から離れたエリアで新築マンションを買ったご夫妻が、教育費と資産運用の相談で中嶋さんの店にやってきた。子ども2人を私立校に入れたいが、家計が破綻しないか不安……というのが相談の主旨だ。

 先日埼玉から2人のお嬢様を連れてご来店いただいた井田さんご夫妻(仮名)。現在は家族4人で埼玉県に住んでいる。奥さまは今年6月に育児休業から復帰したばかりだ。まずはご夫妻のデータを確認したい。

■年収:夫婦合わせて1020万円程度
夫(35歳):800万円 IT系企業の人事担当、社労士の資格を保有
妻(34歳):220〜250万円(時短勤務中。年途中からの復帰なので育児休業手当も含めた今年の見込み額。来年は300万円ぐらいになる予定) アミューズメント施設運営企業の人事

■家庭の状況
結婚9年目。4歳と1歳半の女の子2人

■住居
2010年に埼玉県所沢市の小手指(こてさし)で新築マンションを購入。諸費用込みで価格は4100万円
頭金400万円、住宅ローン3700万円をペアローンで借り入れ(夫2600万円、妻1100万円、7:3の割合。双方とも変動金利で0.975%、35年ローン)
2013年5月に夫のローンのみ、10年固定・1.5%で借り換え。
毎月の返済額は夫7.9万円、妻3.1万、管理費等2.5万、合計約13.5万

■資産
現在の貯金額 900万円
投資信託 約450万円分(日本株・外国株・新興国債券・先進国債券など16種類)
毎月の貯金と投資信託の購入額が4万円ずつ、1万円を財形に。ボーナスも合わせると今年は130万円ほど増える予定(貯金・投資元本・財形の合計額)。

■レッスン・相談の内容
子どもをもう1人欲しいが迷っている。教育費の負担が今後どうなるか、どうすればいいかが不安。公立小から中高一貫校も検討している。大学までエスカレーター式で行ける私立小学校も検討しているが、家計的に可能なのか。
また資産運用も、IFA(金融商品仲介業者)のアドバイスのまま投資信託を買ってきたが、このままで大丈夫なのか。

「将来、中学受験と高校受験が同時に来ると大変そう」

シェアーズカフェ・中嶋(中) 今回は教育費と資産運用についての心配がある、という事ですが……。

 子育てについては3人目をどうするかと、子どもを私立小学校に通わせられるか、この2つが悩みどころです。

 私は中高一貫校も良いかなと思っていまして、どちらかで決めかねていますけど、せっかくなのでよそとは違う教育をできたらいいなと思っています。

 中高一貫校について思い入れがあるようですが、奥さまが通っていたんでしょうか?

 そうではありませんけど、子どもが3歳差なので受験が1回でも減ると親の負担が軽くなるかと思いまして。中学受験と高校受験が同時に来るとやっぱり大変そうで。

 もう随分先のことまで考えられているのですね。

 僕はそれなら小学校か中学校から私立にすれば大学まで楽かなと思っているんですけどね。僕自身は中学から大学までエスカレーター方式でしたので。収入的に大丈夫かどうかは相談してみないことには何とも分からないので、今日ご相談させていただきたいです。