下洗いしなくても、カレーやシチューの皿がきれいに!
--食器洗い機で食器を洗うとき、どのくらい時間がかかりますか。
だいたい1時間半ぐらいですね。夜寝る前にスイッチを入れて、朝起きたときには食器がきれいになっているという使い方をしている人が多いようです。ただ、時間はかかりますが、使う水は手洗いより少なくて済みます。電気代も安いので、冬はお湯にして洗うとしても、手洗いより光熱費は安くなりますし、エコにもなります。だからドイツなどのエコ先進国では、ほとんどの家に食器洗い機が入っています。
--きれいに洗うコツはありますか。例えば、汚れがひどいものは事前に汚れを落とさなきゃいけないとか、鍋みたいな大きなものは別に洗わなくちゃいけないとか。
いえ、下洗いは必要ないですよ。例えば、カレーを食べた後の皿は、予洗い無しのまま食器洗い機で大丈夫です。とはいえ、大きなじゃがいもやお肉がごろごろ残ったまま、というのはダメです。そういった残菜は、食器洗い機に入れる前に捨ててください。ですが、シチューやバターの汚れが付いたまま入れても、全く問題ありませんよ。
私の家では、家族全員が自分で使った食器を片付けます。といっても、洗いおけに食器を入れるだけ。私は、そこから食器洗い機に移すだけなので、下洗いというほどでもなく、1回水をくぐっているという程度です。
以前は、デンプン質を落としにくいのが食器洗い機の弱点で、それが原因で日本ではなかなか普及しなかったんですが、今はメーカーが工夫してそこも解決しています。例えば、ごはんはスチームで充満させて浮かせてから落とすとかね。そうすると、洗った食器にごはん粒が残っているということもほとんど無いです。たとえ、お昼に食べたごはんがそのまま残っていて、お茶わんに付いたごはんがカピカピになっていても、食器洗い機に入れればきれいに落ちます。
--乾いたカレーはどうですか? それも、普通に?
はい、乾いたカレーも大丈夫。食器洗い機は、バターや牛脂などの動物の脂に強いんですね。手で洗う場合、お湯は30度から40度ぐらいですが、食器洗い機の場合はお湯の温度が70度ぐらいまで上がります。脂が溶けるのが50~60度なので、特に脂ものは、手洗いよりきれいになります。
--そういえば、ノロウイルスがはやったときに、温度が高いと消毒できるからって食器洗い機がはやりましたね。
そうです。お子さんが生まれて、哺乳瓶とか子どもの食器を洗いたいという人が、食器洗い機デビューするというケースは多いです。食器洗い機のほうが、清潔なんですよね。だからノロウイルスが流行したときは、食器洗い機が急に売れ始めるんですよ。
--以上、今回は食洗機の基礎知識を教えていただきました。第2回ではメーカーごとの特徴を伺います。また実際にわが家でも工事の見積もりを取ってみることにします。
(解説/戸井田園子 取材・構成/井上真花)
(この続きは、「食洗機選びで気を付けたいチェックポイントとは?」をお読みください)