安倍政権の政策に大きく位置づけられているのが、ICTを活用した「テレワーク(在宅勤務)」という柔軟な働き方。在宅勤務が子育てと仕事との両立を大きく助けてくれることは周知の事実ですが、企業の在宅勤務制度導入率はまだまだ低いのが現状です。必要性があり、政府が推進し、助成金まで出されているのに、導入がなかなか進まない理由は一体何? そして、その解決策とは?
 この連載では、在宅勤務導入に積極的に取り組む企業の事例を紹介しながら、多くの企業が導入時にぶつかりがちな問題点と対策法を、テレワーク推進の第一人者・田澤由利さんが6回にわたってお届けします。

 テレワークのコンサルティングをしていると、経営者によくこう言われる。

 「在宅勤務? うちはそんな余裕は無い」

 在宅勤務を希望している社員がいることは分かっている。しかし、会社あっての雇用。「希望を聞き過ぎて会社が立ち行かなくなったら、社員の皆さんが困るでしょう」。これが「余裕が無い」と言う経営者の理屈だ。

 この言葉の根底には、在宅勤務は「福利厚生」という考え方がある。福利厚生とは、「企業が社員やその家族の健康や生活の福祉を向上させるために行う施策」、つまり、会社の利益や生産性とは相反するものということだ。

 「在宅勤務は、福利厚生ではない」

 このことを経営者に分かってもらわないと、在宅勤務導入はなかなか進まない。在宅勤務でも企業としての「生産性は向上できる」ことを、経営者に知ってもらうのだ。

 今回は、「わが社に在宅勤務を導入したい」という方へ、ある企業をご紹介しよう。

ボトムアップで在宅勤務制度の導入を!

 株式会社シータス&ゼネラルプレスは、日経DUALの読者の方にもなじみ深い「パルシステム」のカタログやウェブサイトの制作など、企画・編集・コンテンツ制作・デザイン等の業務を総合的に実施している企業だ。社員は205名(2014年10月1日時点)。女性比率は6割。拠点は東京・大阪・札幌にある。そんなシータス&ゼネラルプレス社で、ここ数年の間に浮かび上がってきた課題がある。

(1)産休・育休取得者・短時間勤務者の増加
(2)勤務時間の偏り
(3)長時間勤務の常態化

次ページから読める内容

  • テレワーク導入の目的は「生産性向上」
  • 2度のトライアルで生産性向上が見えてきた
  • テレワークで「小1の壁」を乗り越える!
  • 管理職から見た「テレワークの生産性向上」
  • 社員も在宅勤務を「福利厚生」としないことが重要

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