辻社長 僕の友人で、マネーフォワードの家計管理ソフトを使っていただき、「奥さまの浪費が減った」と喜んでいる人がいます。それは、毎週土曜日の朝に、家計管理のページをプリントアウトして、そっとテーブルに置いておくだけ。奥さまが、「私、これだけ使っていたんだ」と認識して、そこから徐々に浪費が減ったそうです。

深野FP お金に興味がない相手には、“どこまで協力してもらうか”を考えておきたいですね。日々チェックしてほしいのか、年に数回確認してほしいのか。その理想の形を考えてから、少しずつその形に近づけていけたらいいと思います。

不動産購入を考えたときに、注意すべき点とは?

ダブルインカムならではの悩みもある。
ダブルインカムならではの悩みもある。

 「不動産購入に興味があります。ただし、私自身の収入が増減が激しく、気になっています。少し先の話なので、自分が住むのか、物件を人に貸すかはわからないのですが、不動産購入について、注意点がありましたら教えてください」(20代 男性)

深野FP 不動産の購入の場合、収入が不安定な場合は、長期間の住宅ローンを組むのはかなり難しいですね。それは、「仕事でリスクを取っているから」です。個人事業主の方や、自分で会社をおこされている方もそうです、私も同じですね。
 そういう方は、プライベートでリスクを取るのは危険です。

 住宅ローンを組む際に、通常、頭金は20%程度用意したいところですが、ローンを組むと言うリスクを減らすために、半分程度用意するのも手。もししっかり貯蓄ができるなら、ローンを組まずに、全額現金で買うという選択肢もあります。ただし、それによって貯蓄がなくなるのは危険なので、バランスを見るようにしてください。

 特に不動産は「すぐに換金化しにくい」というデメリットがあります。「すぐに現金がほしい」と思っても、買い手がつかなければ現金化できず、どんどん値下げをすることになりますので、ご注意ください。

深野康彦さん
有限会社ファイナンシャルリサーチ代表。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。以後、金融資産運用設計を中心としたFP業務を研鑽。1996年1月に独立し、現在のファイナンシャルリサーチは2社目の起業。FP業界歴26年目のベテランFPの1人。新聞、マネー誌や経済誌、各種メールマガジンへ執筆や取材協力、テレビ・ラジオ番組などの出演を通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を解いている。日本経済新聞夕刊では「投信ウオッチ」を月2回連載など、多数連載を持つ。

辻庸介さん
株式会社マネーフォワード 代表取締役
1976年大阪府生まれ。京都大学農学部を卒業後、ソニー株式会社に入社。2004年にマネックス証券に出向(その後転籍)。2009年ペンシルバニア大学ウォートン校にMBA留学。帰国後にCOO補佐、マーケティング部長を経て、マネーフォワード参画のため退社、代表取締役社長CEOに就任。2014年1月ケネディ米大使より「将来を担う起業家」として米国大使館章受章。同年2月ジャパンベンチャーアワードにて「企業家の模範」としてJVA審査委員長受賞。