子育て社員を周囲がサポートするのは、自然な流れに過ぎない
米国を本拠地とし、医薬品・医療機器・バイオサイエンス事業をグローバルに展開するバクスター。前編「子育て社員支援の進化系『インクルージョン』とは?」では、同社のダイバーシティー及び「インクルージョン(多様性の受容)」の施策、取り組みを紹介した。
ワークライフバランスを重視した働き方を支援する制度も整備しており、女性スタッフの育児休暇からの復帰率は100%だという。今回は、マネジャーの立場で産休・育休を取得した女性管理職と、その間に彼女の仕事を担った同僚女性(彼女もマネジャー)のパートナーシップの在り方にフォーカスする。
山口ひろみさんは2004年にバクスター・カスタマーサービス部のグループマネジャーに就任。2012年11月から産休・育休を取得した。その期間中、山口さんのマネジメント業務を担ったのが宮下湖之美さんだ。宮下さんは既婚で子どもはいない。2人は入社タイミングは異なるものの同年齢で、同じグループマネジャーとしてそれぞれ約20人のメンバーを抱える。
2人がマネジメントを務めるカスタマーサービスグループは、腎臓病の腹膜透析を行う患者に対し、在宅で使用する薬を継続的に届ける手配をしている。万が一ミスがあれば患者の命にかかわる業務だけに、綿密なマネジメントが必要な部署である。
山口さんと宮下さんのグループは担当エリアが異なるだけで、役割と業務内容はほぼ同じ。そのため、日頃から相談、協力し合いながらグループ運営を行ってきた。
宮下さんが言うには、「山口さんが産休に入る際、私がサポートするのはごく自然な流れだった」。