仕事を優先し、結婚・出産を後回しにする女性の増加に伴い、不妊のリスクも増しています。「共働き夫婦で、第1子はできたけれど、第2子がなかなかできない」という“隠れ不妊”に悩んでいる人もいます。妊娠に関する正しい知識を、アラフォーで2児の子育て真っ最中、アメリカ・ボストン在住の産婦人科医、樽井智子(たるい・ともこ)さんが、連載「USA発 ともこ先生の DUALな妊活A to Z」で教えます。

 さて、前回までは妊活を取り巻く環境や、自分でできる妊活などについてお話ししてきました。

 今回は、妊活カップルが病院を受診する必要があるときに出てくる疑問や質問を踏まえながら、不妊クリニックでの検査や治療についてお話ししたいと思います。

女性が不妊の専門医を受診する目安

 以下のいずれかに当てはまる場合が、不妊の専門医を受診する目安です。

1. 女性の年齢が40歳以上の場合
2. 妊娠を妨げる可能性が示唆される場合
  ・基礎体温が二相性でない
  ・月経の期間や量の異常:無月経、月経が不規則、月経の量が極端に多い、あるいは期間が長い(8日以上)、月経の量が極端に少ない、または期間が短い(2日以内)
  ・月経に伴う症状の異常:ひどい月経痛がある、月経の痛みが年々強くなってくる、月経時にいつも下痢を起こす、セックスの際に以前に無かった痛みがある
  ・性感染症にかかったことがある
  ・以前に子宮筋腫・子宮内膜症を指摘されたことがある
3. 正しいタイミング法を実行していても、子どもを授からない場合
  ・女性が30歳代前半までは1年間、35~40歳までは半年、基礎体温を付けながら、タイミング法を取っても子どもを授からない

 それでも、やっぱり産婦人科、特に不妊専門クリニックに対して何となく敷居が高いと感じている方も多いかと思います。しかし最近のクリニックは、女性が通いやすい、快適に過ごせるような工夫がなされているところが増えています。決して怖いところではありません。もし最初に行ったクリニックが自分に合わなかった場合は、他のクリニックに移ることも可能です。

 「病院に行くのがおっくうだ」と受診を先送りして時期を逸しないように、早めに生殖医療専門医のいるクリニックを受診してみてください。

 男性が専門医を受診する目安は、「30歳男性と45歳男性では妊娠率が20%低下する」を参照してください。